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LinuxでH8のフリー開発環境を!
章 5 自分で作ったプログラムを走らせる


5.1 h8comm : H8フラッシュメモリライタ

H8のフラッシュメモリに書き込みをするため、h8commというプログラム を用意しました。マニュアルはh8comm manualを参照して下さい。


5.2 サンプルのソースを実行する

h8commの配布ファイルの中にromsmpl.binというサ ンプルプログラムがあります。これはI/OポートBを点滅させ、シリアルポートか ら"Hello, world"というメッセージを送信しつづけます。動作確認に使うのにちょ うどよいと思います。

このプログラムをROMに書き込むには、h8commに次のオプションを 与えます。

     h8comm -d romsmpl.bin

標準出力から"Hello, world"が次々と出てきたら成功です。


5.3 Cのソースからバイナリイメージを作る

次は、romsmpl.binのようなバイナリイメージをCのソースから作 る方法です。

まず、COFFのファイルを作成します。GCCを次のオプションをつけ て実行します。オプションのうちのいくつかは見慣れたものですが、見慣れない オプションもあると思います。

     h8300-hms-gcc -O -mh -mrelax -T /usr/local/lib/h8comm/h8ram.x
     -nostartfiles /usr/local/lib/h8comm/h8crt0.o sample.c -o sample

-T オプションはリンカスクリプトファイルを指定するオプションです。 ここでは、h8ram.xというブートモード用のリンカスクリプトを指 定しています。ROMに書き込むときにはh8rom.xを指定します。

-nostartfilesはデフォルトのスタートアップルーチンを使用しないと いう指定です。そして、代わりにh8crt0.oという自前のスタート アップルーチンをリンクしています。

次に、objcopyでCOFFファイルを生のバイナリファイルに変換します。

     h8300-hms-objcopy -O binary -R .stack sample sample.bin

こうして、h8commに渡すことができるバイナリファイル sample.binを作ることができます。


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LinuxでH8のフリー開発環境を!
version 1.0, 24 Nov 1999
Muneyuki IWATA kp9m-iwt@asahi-net.or.jp