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LinuxでH8のフリー開発環境を!
章 1 はじめに


1.1 なぜH8か?

今やフラッシュマイクロコントローラは各社からいろいろ発表され、秋葉原のパー ツ屋で色々な種類のものを買えるようになりました。こうしたマイクロコントロー ラは次の理由からアマチュアホビイストに向いています。

日立H8はこうしたマイクロコントローラの中でももっとも有名なものの一つです。 その理由の一つは秋月からキットが出ているからでしょう。4,000円でCPUボード が一式買えるというのは(昔Z80や8086でCPUボードを作った者としては)隔世 の感があります。

H8はPICなどと比べて、豊富なメモリやI/O機能を備えています。そのため、C言 語で開発ができます。


1.2 H8のクロス開発環境

H8のプログラムを開発するには次のものが必要です。

  1. Cコンパイラ
  1. アセンブラ
  1. リンカ、オブジェクトフォーマットコンバータ
  1. ライブラリとスタートアップルーチン
  1. フラッシュ書きこみプログラム
  1. デバッガ(なくてもよい)

GCCとbinutil[1]は、たくさんの 他のCPUと同様にH8もサポートしています。これらは上の3つのツールを提供しま す。

Cygnus は組み込み用のシンプルなC標準ライブラリを提供しています。このライ ブラリを使うと、stdio, stdlib, string, mathライブラリの各関数が使えます。 しかし、ハードウェア操作ルーチンは含まれていません。

フラッシュ書き込みプログラムはH8にブートストラップコードを送出し、フラッ シュROMにプログラムを書き込みます。H8とはシリアルI/O(RS-232C)で通信しま す。


1.3 インストール手順

次の手順でインストールを行います。

  1. H8マニュアルを日立のWebページから取ってきます。直接アセンブラプロ グラムを作る気はなくても、I/O操作のために必要です。
  1. GCC, binutils, newlib をインストールします。
  1. それぞれのシステム用のldスクリプトを作成します。もし外部にメモリを 接続せず、内部メモリだけで動作させるのであれば、附属のldスクリプトが使え ます。
  1. サンプルプログラムをコンパイルします。ここでは各ツールの使い方やコ マンドラインオプションを解説します。
  1. フラッシュROM書きこみツールH8commをインストールします。


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LinuxでH8のフリー開発環境を!
version 1.0, 24 Nov 1999
Muneyuki IWATA kp9m-iwt@asahi-net.or.jp