議論のしかた

ネットで議論をするにはルールがあります。いえ、ネット以外で議論する場合も同じですが。

さいごに

多くの人は、そもそも議論の精神を勘違いしています。議論の場とは「自分の意見を言う場」ではなく「人の意見を聞く場」なのです。誰もが自分の意見を言いたがりますがそれではおかしいのです。質問を投げかけて回答をしていただく、という気持ちが大切です。

いただいた回答は自分で理解しようとしてみましょう。例えそれが自分の意見とは違っていても。いや、むしろ違った意見を聞く方が重要なのです。自分と同じ意見をいくら聞いても全く自分のためになりませんから。違った意見を聞き、納得できなければ質問しましょう。反論ではなく質問です。なぜなら、納得できないということはきちんと理解できていないということなのですから。相手の言い分を理解できれば「なるほど。そういう見方もあったのか。それももっともな話だ」と思えるようになるでしょう。あなたは議論から「違う見方」を得たわけです。

逆に、相手の質問によって、自分の意見がいかに根拠のないものかがわかる事もあります。その時は素直に「なぜそう言ったのか自分にもわかりません」と言いましょう。そして、根拠のある意見の方へ自分の考えを変えて下さい。議論から「根拠のある回答」という貴重な財産を得たわけです。

議論の場では意見の内容だけが問題で、それを誰が言ったかは問題ではありません。質問は参加者全員に対してなされ、それに対する回答も参加者全員に対してされるのです。当然のことながら途中入場も途中退場も自由です。

討論と違って議論には勝ち負けはありません。あえて言えば議論から何がしかを得られた人が勝ち、何も得るものがなかった人が負けです。ですから勝ち組の筆頭は途中で意見が変わった人であり、最後まで自分の意見を貫き通した人は負け組なのです。良い議論をして、そこから何がしかを得られるようにしましょう。

議論のルールまとめ

  • 議論には「討論」「議決」「対話」の3つがある。「討論」という形式は普通は適用しない。

  • 議論は「問題提起」から始まって、「質問」と「回答」の繰り返しで進行する。

  • 「質問」には、どこまでがわかってどこからがわからないのかを書く。

  • 「回答」には必ず理由を書く。

  • 他人の回答には質問をする。

  • 「質問」「回答」ともに何を言ってもいい。逆に、他人の質問や回答を制限する事はしてはいけない。

  • 「質問」「回答」ともに皆のものであり、発言者とは関係がない。誰がどの質問に答えても、答えなくてもいい。

  • わかる質問にはできるだけ回答せよ。回答はボランティアだが、議論はそれで成り立っている。

  • 自分の考えに固執せず、他人の意見を聞いて良いと思ったら素直に受け入れなくてはならない。

  • 自分の考えに正直であれ。自分が正しいと思ったら正しいと言い、間違っていると思ったら間違っていると言え。

  • 議論は相手の意見を聞くことが目的である。意見を言うことが目的ではない。