正しい設計の罠
再利用の罠と同様に陥りやすい(そしてほぼ同じ意味を持っている)ものに正し さの罠があります。互換性やいわゆる「正しい」プログラミングを追及するこ とで、結果的にかえってトラブルに巻き込まれるのです。
ここでの注意も「再利用の罠」と同じです。必要以上に互換性にこだわるのは やめましょう。必要以上に正しさや美しさを追及するのもやめましょう。
正しい設計とは
きれいなプログラムコードや正しい設計にこだわる人がたまにいます。もちろ んそれはいい態度ではあるのですが、「こだわる」という言い方に少し引っか かるところがあります。
なぜなら「正しい設計」とは「シンプルな設計」だからです。何も足さず、こ れ以上削るところのない設計が「正しい設計」です。つまり、正しい設計には 終わりがあるのです。それに対してこだわりには終わりがありません。だから おかしなことになるのです。
正しい設計にこだわりを持つ人は、たとえ正しい設計に行きついたとしてもそ こで終わろうとしません。「もっと良くしたい」という考え方はここでは害悪 になってしまいます。これ以上削るところはないはずなのに何かを削ってみて、 今度はおかしくなって別のものを足してみる、その繰り返しでだんだん設計は ゆがんでいきます。正解を得たらそこでおしまいにしなくてはなりません。