要求を書くということ
例えばこんなシステムを作ることを考えてみましょう。[1]
楽曲のデータベースシステムを作りたいと思っています。いろんな曲につい て、誰が作曲して誰が演奏したか、そして曲名や使用楽器などの情報を表にま とめ、簡単に表示したり検索したり情報を追加したりできるようなシステムが 欲しいと思っています。
多くの場合、このレベルで「要求が書けた」と思ってしまいます。「こういう システムが欲しい」といってプレゼンの資料を作り、それで終わりにしてしま いがちです。しかし、これではまだまだ要求分析には足りません。プレゼンの 場合には了承のハンコをもらえればいいのですが、要求分析というのは要求を すべて挙げなければならないのですから。「いろんな」「など」「○○したり」 といったあいまいな単語は排除しなくてはなりません。
「要求」を記述する時にもう一つ注意すべき事があります。それは実現手段を 書かないということです。例えば上の楽曲データベースの例では、データベー スのバックエンドに何を持ってくるかとか、インターフェースをCGIで作るの かServletで作るのか、という事は「要求」ではなく「実現手段」です。実現 手段は後で考えればいいことであって、ここで出てくるべき話ではありません。
なぜこんなシステムを作るのかって?単に筆者が欲しいと思っているからというだけです。 ↩︎