まとめ
オブジェクト指向分析の話はここでいったん終わります。オブジェクト指向分 析のポイントは次の通りです。
「ソフトウェア」や「処理」といった観点ではなく、「実世界がどうなってい るのか」を考えます。分析の結果は「ソフトウェアをこう作ればよい」ではな く「世界はこうなっている」なのです。
分析は対象領域を限定することから始まります。これが「ドメイン」です。こ れを限定しないと、現実世界をすべて正確にモデリングしようとして底なしの 泥沼にはまります。そんなことはできっこありません。
対象領域の中でオブジェクトを抜き出して説明を加えます。抜き出したオブジェ クトを明確に定義することこそオブジェクト分析なのです。
もしかしたら「あれ?クラス図は?」と言う人がいるかもしれませんが、ここ で敢えて言います。クラス図はオブジェクト定義を見易くするためのおまけで しかありません。クラス図だけを書いてオブジェクトの定義をしないというの は本末転倒です。