開発工程

ソフトウェアはどうやって作るものだか知っていますか?パソコンに向かってプログラムを書くだけではありません。

トップダウンとボトムアップ

開発工程に関連して、トップダウンとボトムアップについての説明をしておき ましょう。大きなシステムをどんどん細分化していって細かい部品に分けてい くのをトップダウン、部品を積み重ねていって大きなシステムを作るのをボト ムアップと言います。マクロからミクロへ降りていくのをトップダウン、ミク ロからマクロへと昇っていくのをボトムアップと言うわけです。

開発工程は「トップダウン式にせよ」と教えています。開発工程など何も考え ずにただプログラムを作ろうとするとたいていはボトムアップ式になります。 細かい関数を作ってテストしてそれをもとに大きなシステムを組み上げてい くというやり方です。その弊害は何度も言っているように全体の見通しがきか なくなってしまうことです。細部から積み上げていくと、どこかで「あれ?お かしい?これじゃだめだ。」と思った時には既に手遅れ、今までのを全部崩し て作り直しになってしまいます。そして崩す手間を惜しむとあちこちつっかい 棒だらけのいびつなソフトが出来上がってしまいます。だからトップダウン式 にせよ、というわけです。

しかしトップダウンにも欠点はあります。概念だけで実績を積むことができな いことです。いつまでやっても実物が見えてこなくて「本当にこれでいいのか?」 と疑心暗鬼になります。担当者も「多分いいと思うんですけど……」と答える しかありません。

実際には開発工程はトップダウンだけではありません。最初は要求分析か らだんだんとトップダウンでプログラムにまで降りていきますが、その後ボ トムアップでプログラムから単体検査、結合検査と昇っていくわけです。これ は「V字型」と呼ばれる開発工程です。