環境保護運動が徹底した地球が舞台。といってもこの本は「環境保護反対」の姿勢を貫くめずらしい話です。グリーンピースや反捕鯨運動、反原発運動の行きすぎに疑問を持つ人なら共感できるでしょう。
話のあらすじはこう。恒久的宇宙ステーションから出発したスペースシャトルが地球に墜落。しかしそのころ、地球は環境保護の大号令のもと、宇宙ステーションの住人を環境破壊の大罪人として追われることになったのだ! 彼等の味方は、今でも科学を正しく評価している人々、それは「SFファン」である!
いやぁ、SFファンがヒーローですよ。もうたまらないですね。しかも、SFネタがざくざく出てきます。さすがにアメリカSFファンダムネタは私にはよく分からないのですが、有名SFネタ、ニーヴンSFネタがそこかしこに出てくるのがいいですね。
環境保護を唱えすぎたばかりに地球温暖化どころか地球が氷河期に逆戻りしたという設定や、環境保護派が無知な愚か者として描かれているところ、隠れSFファンが最後にカミングアウトするところなど、SFファンやハッカーなら思わずうなずく(そう、そうなんだよなぁ)描写でいっぱいです。
結論。SFファンなら読め。環境保護派は読むな。(気分を悪くするだけだ)