ホーガンは最近陰謀ものや政治ものが多かったのですが、久々に「古き良きホーガン」が復活! そんな第一印象の一冊。
「創世記機械」のように荒唐無稽な理論を精密にでっちあげるのはホーガンの得意技ですが、それがまた冴えわたります。今回は「多元宇宙もの」。タイムパラドックスのからみで多元宇宙が出ることは多いですが、多元宇宙だけが出てくる事はそんなに多くはありません。そういう意味ではすきま的ジャンルかもしれません。
とにかく読んで下さい。このなんとも言い表せない良さ、懐かしさ、そういったものがにじみ出ています。ラストも良く、読後感の良さも一級品。
まさにSFの王道。「SFってやっぱいいなぁ」と思える一品です。