これはまさにライトノベル。一瞬「こんなのをSFと呼ぶな」と思ったが、よく見たらどこにもSFって書いてないな。すんません。
精神病院から抜け出てきたような登場人物が、夢のような超万能兵器を得て、究極無敵超人になります。しかもこの万能兵器しゃべるし。うひゃー。もちろんこれワザとやってるんだよね。売れ行き最優先の姿勢は、私は大嫌いです。
ハヤカワだしもしかしたら?なんて思った私がバカでした。ごめんなさい。なんとかがんばって半分までは読んだけれど、ギブアップです。パラパラ流し読みしてみると、後半はさらにパワーアップしているみたいで、読もうという気力が完全に切れてしまいました。
ライトノベル世代の精神病理を考える上では良い題材かもしれませんが、そんなものはネット上にごろごろ転がっているし、そっちの方が病理むき出しで面白いように思います。まあ、そういうのは3行読めればいい方なのですが。さすがに、文章自体はそういうのに比べればだいぶ良いです。
それにしても、スチュアート・リトル(?)を見て焦るのはさすがに自意識過剰すぎやしないかい。心配しなくても、これに似た小説なんて一つや二つじゃないから。そんなことを考えると、やっぱり大真面目にこんな小説を書いてしまっているんじゃないかなぁなどと心配してしまいます。 (「良い小説をたくさん読む人は小説家にはなれない」と言ってたのは誰だったっけ。一面の真理をついています。)