典型的な「剣と魔法の世界」のヒロイックファンタジーです。なんせこのジャンルの名付親が作者ですから。全般的に暗く、悪の香りがぷんぷんする仕立てになっております。このへんが指輪物語などの童話系ファンタジーと違うところです。
対象年齢は少し下がっております。「ダークな雰囲気」というのはつまり少年達があこがれる雰囲気でもあり、主人公達の行動も若干子供じみております。しかし、子供じみていない悪の主人公は本当に救いがありませんから、それがまた魅力だとも言えるところでしょう。
いろいろとアラは見つかるものの、ヒロイックファンタジーの古典であり傑作であることは確かです。読んでみるとあばたもえくぼに思えてくる出来であります。