オタク論でも有名な香山リカさんの、わりと堅苦しくない本です。サブタイトルが「私探しと自己愛」となっていますが、「私探し」という現象の考察です。(そしていつもの自我の確立というテーマになるわけですが)
「私探し」自体もブームを過ぎて忘れ去られてしまった感はありますが、私個人的には(本当の時代は少し違うんですが)、この本でいう80年代のサブカルチャーブームに共感できて、90年代の私探しブームに「何か違うぞ」と違和感を覚えるということで、この本の主張にはほぼ納得できます。
「最近のオタクは何か違うぞ」という主張をする人が、なぜこんな主張をするのかわからない人は、読んでみてはいかがでしょうか。といっても最近はこの本で書いてある状況のさらに先に行ってしまっているわけですが。