他人を見下す若者たち

評価
2
ジャンル
思想
著者
速水敏彦
出版社
講談社現代新書

事あるごとに「お前は他人を見下している!」とか「大衆はバカだ」とゲストブックに書いてくる人って、実は多いんですよ。この本の通りのことを書いてくる人が、一人や二人じゃないんです。年齢はわからないけれど、どうもあまり年をとっているようには見えません。と、出だしが支離滅裂ですが、とにかく、そういうテーマの本です。

私は、ごく当たり前の事が書かれていて特に面白いと思うようなことはないと感じました。読後感はあまり良くないのですが、これは構成の問題でしょう。無駄に学術的なくせに、肝心なところが決めつけで終わってしまっているせいでしょうか。初めから面白おかしい読み物として書けば、もう少しは読後感が良かったんではないかなぁと思います。

しかし、これはためにならないとか読まない方がいいという意味ではありません。「仮想的有能感」という言葉を知らない人は読んでみるといいかと思います。こうした問題を知らない人にとっては、重要なことが語られています。

ネットの書評では内容をけちょんけちょんにけなされていることが多いようですが、これこそが「他人を見下す若者たち」のしわざです。くれぐれも、そういうのには騙されないように。