ヴァーリーの八世界シリーズの最初の長編。他の短編で出てきた人もひょこひょこ登場しますが、他を読んでいなくても問題ありません。
八世界シリーズの魅力は、クローニング、記憶の移し換え、性転換といった、人間性に重大に関わる技術が当たり前として受け入れられている、そんな世界がごく普通に書かれているところでしょう。同じ記憶を持った自分のクローンと普通に生活できる、そんな世界なのです。実際、クローニングはこの小説の重要なテーマでもあります。
ニーヴンみたいなガジェット爆発の中にあって、人間性に関わる様々な技術が味わいを加えているところが今風のハードSFなのであります。