フレデリック・ポールの代表作であろう、ゲイトウェイシリーズの第一作。徹底したゴールドラッシュ的フロンティアテーマである。
なにせ舞台設定が格段にいい。謎のヒーチー人が残した宇宙船群、そしてそれの操縦方法もわからないままどこに行くのかもわからず飛び立つという危険な任務。太陽の真中に飛び込めば即死だが、もしかしたら未知の文明のすごい遺産を手に入れられるかもしれない。一獲千金に群がる多くの人々。ある意味どろどろとした人間模様が語られる。
この設定がSFファンとしてはたまらない。何せ「何でもあり」だ。ディストピア的な現実から抜け出して、「何が待っているかわからない」宇宙へ飛び出す。これこそがSFの基本的イメージではなかろうか。本書こそ「典型的な」SFだ。