易経

評価
5
ジャンル
古典
著者
出版社
岩波

言わずとしれた、中国古典の一つです。名前と、易のマーク(棒が並んだやつ)くらいは知っていても、中身はほとんど知らないという方が多いのではないでしょうか。中国古典でも、漢詩や論語は学校で習って知っていても、易経を習った人はほとんどいないはずです。

それもそのはず、漢文とその書き下し文だけを読んでも何のことかさっぱり分かりません。これでは先生も教えられないはず。短い言葉に非常に沢山の意味が込められているのです。

しかし、ご安心下さい。この本では、現代語訳という名前の解説がついていて、初めて読む人でも意味がわかりやすく出来ています。本の前後には理論的なこと(陰と陽が交じわって云々というやつ)がえんえんと書かれていますが、まず中身を見て下さい。

私がこの本を特に推すのは、実用面 = 占いの本としてです。本当に迷ったとき、それも人生に大きくかかわるような悩みのとき、この本をひもといてみて下さい。今の自分の状況が驚くほどよく描写されていて、しかもそれに対して進む道が示されています。「ラッキーカラーは緑」とか「東南の方に行け」というような具体的な方法は書かれていませんが、そこに書いてあるメッセージをじっくり読んで自分で意味を考える、このことによって進む道が開かれてくるのです。