雰囲気派プレイの傾向と対策
ここでは雰囲気派プレイに対する「プレイ上の注意」をとり上げる。ちょっと短 いかもしれないが勘弁願いたい。
雰囲気派セッションとは
雰囲気派セッションでは、「中世ヨーロッパ風」「タイムボカンシリーズ的悪玉 トリオ風」「学園バイオレンス物」など、典型的な「物語の雰囲気」を借りてき て、それを皆で楽しもうというセッションである。
誰かがこういう特異な雰囲気を提案したら、有無を言わさず雰囲気派セッション になる。そうでない場合でも、雰囲気派キャラが一人だけでノリノリの雰囲気派 プレイを行うこともできるが、そういう場合はここでは考えない。
雰囲気派セッションは、雰囲気を決めるだけでいいので簡単だし、それで最後ま で突き進むことができる。雰囲気の選択が物をいうセッションだ。もちろん、全 員が良く知っている雰囲気でないといけないことは言うまでもない。
雰囲気派プレイに対するキャラ育成派の対策
一言で言って、キャラ育成派にはつらいセッションだ。「中世ヨーロッパ物」に なった途端、あなたのSF的設定はすべて無視されてしまうのだ。あなたのプレイ のよりどころが無くなると言っても過言ではない。
「一日雰囲気派」に転向するのが一番いい解決策である。雰囲気派のプレイは下 準備も必要なく、絡む話題にも事欠かない。一度やってみよう。ただし、それな りの文章力とアドリブ能力は必要である。自分のキャラ設定をすべて「中世ヨー ロッパ物」に変換してみよう。「クローンというのは中世ヨーロッパ風では…」 という具合にだ。
自信がなければ、自分のキャラに合う雰囲気を提案するか、または「自分はそう いうのは苦手なので..」と言って変えてもらうかすべきである。
雰囲気派プレイに対するシナリオ派の対策
シナリオ派と雰囲気派のスタイルは本来矛盾しない。シナリオ派は雰囲気はどう であってもいいし、雰囲気派は別の人がシナリオを進めてくれるのはありがたい。 ただし、いきなり雰囲気だけ提案されても...ということはあるかもしれない。
雰囲気派にとっては、もちろん「今日はこういう雰囲気でやりたい!」というこ とはあっても、変わった雰囲気でやれればたいがい満足である。あなたの提案し ようとするシナリオに、ちょっと変わった雰囲気をアレンジしてみよう。また違っ た味が出て気に入るかもしれない。
自分でシナリオ提案をせずついていこうと思っているだけのシナリオ派でも、 割と受け入れられるのではないだろうか。どの雰囲気をとってみても「ありがち」 なストーリー展開があるし、それはヤマありオチありの物語の王道だからだ。
雰囲気派プレイに対する成行き派の対策
成行き派のところの説明でも書いたように、雰囲気派と成行き派は矛盾しない。 対処内容はSection 8.4と同じである。
雰囲気派プレイヤーが注意すべきこと
個別の対策編では書かなかったが、一つ注意すべきことがある。いきなり提案さ れた雰囲気に即興で合わせるのは結構難しい。対策編では「雰囲気派プレイをやっ てみよう」と書いた場合も多いが、それが苦手な人もいる。そういう人には苦痛 でしかないかもしれない。特にキャラ育成派には苦痛だ。
雰囲気派セッションを始めようと思ったら、まずメンバーに質問しよう。「こん なセッションでいいですか?」と。Noの答が返ってきたらとにかくやめよう。
セッションを始めてしばらく経ってから「○○さんはあまりノってないなぁ」と 初めて気付く場合もある。だが、残念ながら、雰囲気派セッションでは途中の方 針変更は不可能である。何回か話を振ってみてもノってこない場合は、「話のネ タがない」のではなく「話を返すことができない」のである。
雰囲気派セッションで唯一方針変更が可能なのはポジションの変更である。「騎 士」から「道化役」へ、などである。融通がきかないセッションなので、うまく 行かない場合にはこうした小技をいくつか試してみるしかない。
雰囲気派セッションで、最初に役割分担をきっちり決めない場合がある。この場 合、やりながら様子を見るとキャラがかぶることもあるため、できれば事前に決 めておきたい。