さあ、帰ろう
ガート: さてと、帰ろうか
サンドラ: もういいの?
トリガー: …目的は達したのか?
ガート: さあ‥
トリガー: (…もしかして…何のウラもないってか?俺一人の取り越し苦労‥?俺のカンも鈍ったなぁ
薙: 採集は終わりましたか?
ガート: こんな岩だらけのとこに植物なんてないしなぁ‥
サンドラ: それもそうだね。あ、でも、岩肌に苔みたいのがあるようだけど
ガート: え?どれどれ?
薙: ここに付着している苔とかはどうです?
ガート: こんなとこに…ありがとう、薙さん
トリガー: とほほ…あほか俺は…
サンドラ: おーい。また、物想いに耽ってたの?
ガート: よし、これでOK
薙: いえ、どういたしまして
トリガー: ま、いいか‥全員無事だったし…物思いに耽るのは別に悪くないだろ?
サンドラ: まあ、ね
薙: ?どうかしましたか?ハッピーさん
トリガー: (俺には似合うはずだし…ブツブツ…
ガート: あれ?薙さんには怒らないんだなぁ‥ハッピーさん‥
トリガー: ブツブツ‥‥ブツブツ‥‥
薙: ほらほら、いくよ、ハッピーさん
サンドラ: 置いてこか
薙: 最初は怒られましたけど‥?
トリガー: ブツブツ‥
薙: ええ、そうしましょうか?
ガート: あーあ、なんだかなぁ‥行こ行こ
薙: なにやら考え事しているようですし、お邪魔しては悪いでしょう。
トリガー: 悩む時の首の角度は…ブツブツ…このアングルが渋いんだよな‥うんうん
サンドラ: 運があったらまた会おう
トリガー: ブツブツ…
ガート: ま、あんな奴ほっといてさ (と一人帰っていく)
サンドラ: ほんとに置いてくよ
薙: ハッピーさん?
トリガー: はっ‥あ、あれ?
トリガー: ひ、ひどいじゃないか! 俺を置いていくなんて‥
薙: ガートランドさんは先に帰ってしまいました
トリガー: ‥‥
ガート: ??? みんな来ないなぁ
トリガー: とほほ…
サンドラ: いや、話しかけてもひたってるんで‥
トリガー: 。ったく‥ブツブツ‥
サンドラ: ここにもいないか
トリガー: やれやれ…
ガート: あ!戻ってきた
トリガー: ひどい目にあった…
ガート: なんだ、トリガーさんもいっしょか
トリガー: 一緒で悪かったな! ったく‥ブツブツ。
サンドラ: で、採取はどうなったの
ガート: えぇと、報酬はいつのも依頼のように支払われるらしいからね
薙: さすがにあのドラゴンには驚かされましたね
サンドラ: そうだね
トリガー: ああ、ちびるかと思ったよ。ハンターズとして長年生活してきたが…
薙: ええ
トリガー: あんな危険な怪物と戦わされるとは思ってもみなかったよ
薙: 私もあのような大物は初めてですね。
サンドラ: …
ガート: まったくだよ
トリガー: 誰のせいだ!?
ガート: トリガーさんのせいだよ!
トリガー: ‥‥す、すまん…
薙: これで少しは近付けたでしょうか(小声)
サンドラ: でもね
薙: ええ
サンドラ: 大きいからといって強いとは限らないし、その逆もある、よね
トリガー: …?
ガート: ???実際大きかったし強かったじゃないか!
トリガー: なんだか引っかかる言い方だな?
トリガー: まるで小さくても強いバケモノとでもやりあったことがあるみたいな言い方するじゃないか
サンドラ: ‥‥そんなことはないよ
トリガー: おまえ‥やっぱり今日は変だぞ?
サンドラ: 世の中矛盾していることがあるってこと、かな
トリガー: ‥‥ま、まぁ、そういうことにしておくか‥
ガート: さて、これでお仕事も終了、終了っと
トリガー: さて、では俺たちの報酬の件だが‥
ガート: 報酬はカウンターで受け取ってね
トリガー: (し、しまった! 今日の俺の稼ぎは全部サンドラに持ってかれるんだった‥! あ、あんな思いしてまで…(TT)
サンドラ: なんか、汗が出てるよ?
ガート: また妄想でも始まったんだろ?
薙: どうしました?
トリガー: な、ななな‥なんでもないよ?ははは‥
トリガー: さ、さて、それでは報酬を頂いて帰ろうかな‥?
薙: ハッピーさんの報酬は全部サンドラさん (いいかけてやめる)
トリガー: …!
薙: ? どうしました?
サンドラ: そういえば報酬のことだけど
トリガー: (よ、余計なコトを‥!
サンドラ: …もう少し貸しにしてもいいよ。なんか生活苦しそうだからね
トリガー: ?‥!!? ほ、ほんとか!?
サンドラ: いいよ
ガート: こんな奴にやさしいんだなぁ‥
トリガー: マジ?ホント?うそ! たすかるよ! さ、サンドラ…お前が天使に見えるよ
サンドラ: そう、かな?
トリガー: いや、女神といってもいい! やっぱ、持つべきは仲間思いの友達だよなー。うんうん…
サンドラ: うーん、天使、ねぇ…
トリガー: ?
サンドラ: いや、別に
(ちょっと間を置いて)サンドラ: そんなことを言われるのは初めてだよ
トリガー: そ、そうか?
サンドラ: うん
トリガー: ま、まあ別に深い意味はないけどな…
サンドラ: さて、カウンターに行こうかな
ガート: ああ、いってらっしゃい
トリガー: そ、そうね…
薙: ええ
(報酬を受け取る)
トリガー: ...はい、確かに
薙: さて、これからなんですけど
ガート: はい‥
トリガー: ああ?
薙: よろしければ、食事などご一緒にどうですか?
トリガー: いいねえ
ガート: !!! OK,OK
薙: せっかく知り合った訳ですし
ガート: いいレストラン知ってるんだ、行こうよ
トリガー: みんなでぱーっといくか!
サンドラ: そうだね
薙: ええ(微笑
サンドラ: パーッ、と?
トリガー: 借金も持ってもらったし…
ガート: … いいムードのフレンチレストランで、なんて訳にはいかなさそうだ‥
トリガー: フ、フレンチレストラン‥? (た、高そう…
薙: どこでも、いいですよ?
サンドラ: パーッとじゃなかったんだっけ。
トリガー: …
薙: いいお店を知っているのでしたらお任せいたします
トリガー: ま、任せるよ‥でもその‥
ガート: レストランより、飲み屋の方がパーっとやるにはいいかな。おじさん向きだし‥(ぼそっ
トリガー: あ、あんまり高級なとこはちょっと‥
トリガー: 誰がおっさんだ!俺はまだ29歳だッ! ‥‥ おほん…
薙: お酒ですか?あまりたしなまないもので‥
トリガー: お、俺も酒場が、賛成…かな‥?
ガート: 大丈夫 、大丈夫。カクテルなんかもあるよ
薙: 雰囲気だけでも楽しまさせていただきます
トリガー: なら俺が飲み方を教えてやるよ!
ガート: 焼酎一気飲みとかはだめだよ!
サンドラ: わたしもいいけど
ガート: では、そうしようか?
トリガー: さ、さささ、薙さん。俺が案内しますよ?ささ‥こっちです‥
薙: そうですか?では、よろしくお願いします
ガート: あ、あ! ちょっとまった! ほらほら、薙さん‥トリガーさんはサンドラさんを連れていくんだよ
ガート: ねー、薙さん
薙: はい?
サンドラ: うーん
トリガー: ‥‥え? ‥‥
サンドラ: もしかして不服?
トリガー: ! い、いえ!とんでもございませんですよ! ぜ、ぜひ私めにエスコートせていただきたく…
サンドラ: じゃ、行きますかね
薙: はい
ガート: ほら、こっちだよ! 僕の知ってる店!
(おしまい)