それぞれの思惑(2)
サンドラ: さて、どっち?
トリガー: そういや、青いラッピーって見たことあるか?
サンドラ: いや?そんなのいるん?
トリガー: 酒場で噂になってたんだが…眉唾もんだがね
ガート: そんなものいるわけないよ。ラッピーは黄色と相場は決まってるよ
薙: 幸せの鳥と呼ばれている種類ですか?
トリガー: 知ってるのか!?
薙: 聞いたことならあります。そういうラッピーがいるということくらいですが…
サンドラ: へーそんなのがいるんだ。
ガート: 薙さんがいうならほんとにいるのかもね
トリガー: 見たことないぜ、俺は
ガート: いるんなら捕まえてみたいなぁ
サンドラ: 赤いのはいるのかな?
薙: 9年のキャリアのハッピーさんが見たことがないということは、噂なのかもしれませんが…
ガート: 年齢と腕は必ずしも一致しないからなぁ
トリガー: ま、俺も年がら年中、森にいりびたってたって訳じゃないしな‥って‥ちょっと待て、今のはどういう意味だ!?
ガート: ん?
薙: (あらら…(小声)
ガート: い、いや、僕は…一般的なことを言ったまでだよ、
トリガー: ‥‥
ガート: そ、そうだよ…
トリガー: …そういうことにしておいてやる
トリガー: 口は災いのもと、ってな
ガート: ハッピーさんの腕は十分認めてるよ
トリガー: ハッピーじゃない!トリガーと呼ばんか! 誰がおっさんだ!俺はまだ29歳だッ
ガート: は、ははは、はいはい
トリガー: …失礼。今のは忘れてくれ‥
ガート: いやぁ、面白いなぁ…
トリガー: ‥あーうん。オッホン。そ、そろそろ
薙: ええ
トリガー: 探索を再開しようぜ?
サンドラ: さ、本降りになる前にね
ガート: そうだね
トリガー: (うまくごまかせた..か?
薙: こちらも先ほど来た道に戻るようですね
トリガー: うん
ガート: こっちもあまり変わらないなぁ
トリガー: …やっぱり青いやつはいないなあ…
薙: じゃ、さっきのとこに行きますか?
サンドラ: ええ
トリガー: ふぅ。ひ、ひやひやモンだぜ…
薙: さすがに厳しかったですね
ガート: ホント、心配したよ、薙さんのこと
薙: ふふ、ありがとうございました‥
トリガー: とんでもねえ化物ばかりだよ。まったく‥
ガート: まったく、なんでこんなことになったのやら
ガート: 先輩がちゃんと解明してくれればいいんだけどな
トリガー: まだなにがひそんでいるやら知れたもんじゃねえ。ったく‥ブツブツ‥
サンドラ: わりに合わない?
トリガー: ま、まあな。
薙: ええ、しばしばハンターズによる駆除作業のようなものが行われているはずですよね?
ガート: ああ、うん、そうだけど…そんなの焼け石に水だよ、そんなの
トリガー: やだねえ、おれたちは殺し屋でも掃除業者でもないってのに‥
サンドラ: ふふ
薙: ええ…
サンドラ: 私は‥‥。
トリガー: うん?
サンドラ: ‥‥。
薙: はい?(向き直り
トリガー: 何だよ?
サンドラ: いや、何でもない
トリガー: 急に暗い顔しやがって?
ガート: …??
サンドラ: 私が?
トリガー: 気分でも悪いのか?
サンドラ: いや。
トリガー: …ならいいが…
サンドラ: ぜんぜん問題ないよ。クス
ガート: ???
トリガー: ‥‥
薙: …
ガート: わかんないなあ‥
トリガー: …いくか?
サンドラ: で、採取のほうは?
薙: そろそろセントラルドーム跡までもう少しとなりましたね
サンドラ: ふむ
ガート: もうセントラルドームか‥
サンドラ: もうすぐそこかな
トリガー: ずいぶんと奥地まで来てしまったな
ガート: あそこにも採取すべき植物はあるかな
サンドラ: うーん、どうだろね
薙: セントラルドーム跡以降は森林地域から外れますが‥
ガート: これだけで大丈夫なのかなぁ‥先輩の論文
トリガー: 行くだけ行ってみるか?
ガート: ああ、お願い。
サンドラ: 小遣い稼ぎか
薙: わかりました
サンドラ: いいよ
トリガー: なんか見つかるかもしれないしな…
ガート: なんかないと先輩、論文書けないかもしれないし