ハンター試験のウラのウラ

今日は年に一度のハンター昇級試験。成績が良ければ上級ライセンス、悪いとライセンス剥奪もあるというこの試験、まあ通ればいいやという軽い気持ちで望んだ一行でしたが...

ちょっと、これ、どういうことだ!

リコリス: さて、エリサ様 、どうしますか?やはりこれをもって殴りこみに?
アスタシア: 別に殴りこまなくっても...
エリサ: もちろん!
ルテニア: 抗議はするべきでしょうね
エリサ: ルテニアさんもついてるし(ぼそっ
リコリス: ...わかりました。お供します。
リコリス: 貴重なハンター資源を浪費するがごとき扱い、わたしもいささか腹にすえかねました
アスタシア: うーん、殴り込みはおまかせするわ。後ろで見てるわ、わたしは。
エリサ: まっ、納得いく説明はしてもらうってことで!
リコリス: アスタシア様、エリサ様が刃傷におよんだときは、回復のほうよろしくお願いいたします
アスタシア: その前に止めなきゃ.. 止める自信ないけど..
リコリス: わたしもです。ルテニア様のこともありますし
アスタシア: あの2人はねぇ...
ルテニア: っと、これはよい培養になりそうだわ。もらっとこ
エリサ: ん?そこなに内緒話してるの
リコリス: いえ、些細なことです
アスタシア: え?なんでもないわよ
リコリス: ではまいりましょう
アスタシア: さ、さ、帰りましょ
エリサ: ふーん、ま、いっか。いこっ


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エリサ: ただいまっと、みんなお疲れさま
リコリス: ええ、無事でなによりです
アスタシア: さてと、じゃあ、報告に..
リコリス: お..穏やかにお願いしますね?
ルテニア: え?そのつもりですよ?
エリサ: 禿親父め、覚悟しておけよ


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(総督の部屋で)
ルテニア: こら、親父ぃ!
リコリス: あ、待..
エリサ: ..おい、禿親父!
リコリス: ちょっ..
エリサ: これどういう事だー
総督: いや、待て、待ち給え
ルテニア: ン、なめたマネしてくれンじゃねえか?あ?
エリサ: 簡単な試験ってきいて参加したのに
ルテニア: バンバン(机)
エリサ: あのデカブツはなんだ
総督: 2人とも!待ってくれぬか!
エリサ: どかっ(机に足をのっける)
アスタシア: あぁ、あぁ、あんなことまでして..
ルテニア: ひっくり返っチまったじゃねぇか!
リコリス: 憤りはわかるが..いや、まずは話を聞いては、くれまいか?
ルテニア: 話?ンなもんしらねぇなア!
ルテニア: ......
エリサ: 何度、死にかけたと思ってるんだー
アスタシア: ふふふ、なんとなく写真とっとこ
総督: 責任者は責任をとるために存在する!!
ルテニア: あら?
総督: いかなる責任も負う。だから話を... そのあとは、なんなりと好きにしてくれたまえ
ルテニア: 責任という言葉を安易につかうのはよくありませんよ。しかし話は聞いておきましょう
エリサ: ふーむ、じゃ、話してみてよ
総督: 助かる
エリサ: 納得いかなきゃ、殴る
ルテニア: ばら・・ゲフン
総督: 構わんよ、これはまったくもってこちらのミスだ
エリサ: へぇ
総督: あとで好きなようにしてくれてかまわない
総督: 実はハンターズ試験の担当官僚の中にBP関係者がまぎれこんでいたのだ
アスタシア: BP!
総督: やつらは試験を、ハンターズ減らしとスカウトのために流用しようと画策していたらしい
ルテニア: ふむ
エリサ: ふーん
総督: そこまでならまだよかったのだ...
エリサ: まだあるの?
総督: それだけであれば、表沙汰にせずともカタはついただろう。しかしドームをワナに使うBPの企みにつかわれたのは人目でそれとわかる試験用発信機だ。闇にほうむっておいて、あとから他のハンターズにでも偶然見つけられては、とでも考えたのだろうな。小心な担当官がモミ消しを図ったのだ。試験そのものを逆用して!
ルテニア: なるほど...
総督: つまりこちらの尻ぬぐいを、諸君らにさせてしまった。そういうわけだ
ルテニア: しかし、連絡の一つもほしかった所ですね。。。
総督: 事情を知ったのは何分とたたぬ前だったのだ。と言っても、言い訳にしかならぬな
エリサ: おい
総督: わかっている。止めようにも、手遅れだったのだ。試験の担当官は処断された。あとは諸君らの心の内だけだ。好きなようにしてくれたまえ
ルテニア: 事情はわかりました。まあ、そこまでいわれたら引きさがらない法もありません
エリサ: 犠牲になったハンターの遺族にちゃんとした対応してあげて。わたしからはそれだけ。
総督: 5個目の発信機のことだな?わかった。それについてはあの一団は、全滅してしまったのだよ....
エリサ: あっ、そんなのもあったね
総督: 諸君らには迷惑をかけた、遺族には、できるだけの償いはしよう
ルテニア: そうしてください
ルテニア: そして御神のもとへと..
総督: その5こめの発信機、貸してくれるかね?せめてそれを持って、墓前に参ることにするよ。保証以外に、一個人としてな。詫びても許してはくれんだろうが、な
エリサ: よろしく
総督: 納得はいかぬだろうが、事情はわかっていただけただろうか?

総督: そうだ、むろん諸君らは全員トップランクで合格ということになる。「そんなものでごまかせるか!」といわずに受け取ってくれたまえ。せめてもの詫びだ
ルテニア: まあ、いいもん解体できたからよし..ゲフン
ルテニア: 私も墓に参ってみようと思います
アスタシア: 合格だけなんて.. わたし、トップランクって柄じゃないんだけどな
総督: アスタシア君、合格では不足かね?
アスタシア: え?あ?はい!?
アスタシア: え、えーと、あの、あのですねぇ...
アスタシア: 本当だったらお仕事ですよね、これ?
総督: こちらの不手際の後始末、という仕事か?
アスタシア: そうです
総督: なるほど、確かにそうだ
総督: わかった。ならば順不同だが契約書を作らせ、そののち、依頼料を支払わせてていただこう
アスタシア: 本当?それならいいです。やっぱ現ナマよね
ルテニア: 日々の糧として受け取らせていただきます
総督: すまぬな。もとはといえば..まぁ

総督: エリサ君..だったかな。君はどうだ?私を剣のサビにするつもりではなかったのかね?
エリサ: 事情はだいたいわかったし
総督: そうか、こんな俗物、殴る気も失せたか
エリサ: そっちの都合も分かったけど、トップランクとか報酬なんていらない
総督: なにを望む?
エリサ: いつも通りラグオルに入れれればいいよ
アスタシア: なんとまぁ、無欲な人ねぇ
総督: わかった。欲の無い言葉がもっとも痛いものよ
エリサ: 気楽に気負わず生きていくだけっ
ルテニア: 無欲とは... 良いことですよ
総督: これまで通り、ライセンスは更新しておこう。それで今まで通りだ。かまわないな?
アスタシア: じゃあ、エリサさんの報酬はわたしが代わりに..
ルテニア: それは違いますよ。亡くなられた方々への花代にさせていただきましょう
アスタシア: あ、あら、冗談よ、冗談。
エリサ: うん
総督: 花代にでもなんでも、あとはそちらで好きに決めてくれたまえ(微苦笑
ルテニア: あるいはエリサさん自信に希望があればそのようになさるのがよいと思いますよ
総督: 報酬は、ギルドのほうで受け取れるように手配しておく。各自で引き出してくれたまえ
ルテニア: はい
アスタシア: わかりました!
エリサ: おっけ
総督: では、失礼させて頂くよ。墓参りの仕度をせねばならんのでな
エリサ: そうしてください
ルテニア: そうしてあげてください

(おしまい)