ハンターズの普段の姿
スクリーンの真中にはバルの顔が映っている。目は、レイナではなく明らかにカメラを見ている。
バル: それでは‥またお会いいたしましょう(歯キラッ)
アス: ふふ、どう?どう?ばっちりうつってる?
レイナ: …うつってるわよ
アス: ええっと、こんなこと言ってちゃ不自然よね‥うーん、自然に、自然に、と…
ソフィア: うう、やりづらいなあ‥
そして、カメラがパンしてソフィアの方に向くと、ソフィアは慌ててにっこりと微笑んだ。
総督はふふっと笑うと、口の中にポップコーンを放り込んだ。
タイレル: まるで小学校の学芸会だな。そう思わんかね、アイリーン君。
アイリーン: え、ええ……
アイリーンは周囲を、特に二人のハンターを見回して、目を伏せながら返事をした。総督と違って、立場上ハンターに対して強いことも言えない。明らかに返答に困っていた。
アイリーン: ほらほら、敵ロボットが出てきましたよ。
画面に見入る総督を見て、アイリーンはふぅとため息をつくと、かたわらのコーヒーを少しすすった。
アス: あっ、そうそう。普通の調査任務も忘れないでね
レイナ: もちろんよ
ソフィア: ? あっ、そっか。カメラが気になって忘れてたわ…
バル: 了解いたしました…
アス: やだぁ、なによ、改まって…
バルムンクは軽くアスタシアに一礼したかと思うと、レイナの方をちらっと見てからこそこそと歩き始めた。
アス: ほらほら、バルムンクさん。ずっとカメラの前に立たない!
バル: 後でそのビデオダビングして下さい‥お金はいくらでも出しますから
アス: 勝手にしたら?
タイレル: あいつ、誰だ?あの男のハンターのことだ。
アス: バルムンクさんです。
タイレル: ほう、なかなか面白い奴だな。バルムンクか…覚えておこう
総督はポケットからPDAを出すと、何やら操作していた。バルムンクの名が記載されたのがいいリストなのか悪いリストなのか、それは分からない。
坑道には、ところどころ、巨大な空間に廊下が渡してある所がある。廊下の縁から下をのぞくと、はるかな闇が見渡せる。そして、向こうには同じような廊下が見える。そしてその上にいる敵のロボット達も。
アス: あー、ここからじゃ届かないわ
バル: …死角に入ってるな…
ソフィア: 向こうからまわりましょ
レイナ: 卑怯にも遠方から狙撃するハンターズ‥
アス: レイナさん、何か言った?
レイナ: いえいえ
そして廊下の先は大広間であった。あたりの雑魚ロボットをなぎ倒す。
アス: えーと、ここらへんは…調査っていってもねぇ‥なぁんにもないただの広間だしなぁ
ソフィア: いつも通りよね
バル: ですねー
ソフィア: そろそろ中間地点かな?
レイナ: ろくな調査を行えないハンターズ…
アス: レイナさん、またまた何か?
レイナ: いえいえ
総督は相変らず腕を組んで座っていた。表情がどことなく厳しい。