崩落・捜索・救助

破壊された機械群を見ながら、4人は生存者を探し回った。

アルトゥアは、必死に探し回る3人を横目で見ながら、通路めざしてゆっくり歩いていった。

3人は駆け足でアルトゥアの後を追った。

次の部屋には、大型の採掘機械の他に、小型のメンテナンス用ドローンもあった。小型ドローンは空中を高速で移動していた。

シーナは両手に持った小剣を振り回すが、なかなか当たらない。小銃を構えたエリヤノフと散弾銃を担いだヴァリシスが狙いをつけて撃ち落とした。アルトゥアは採掘ロボットが振り回す腕に側面から一撃をくらいひっくり返ったが、エリヤノフがすかさずその敵を銃で撃ち抜いた。これで敵は全部片付いた。

アルトゥアは周囲を見渡して安全を確認すると、むっくりと起き上がった。たいした怪我ではなかったようだ。

エリヤノフは靜かな声で言った。

ヴァリシスがこう言うと、シーナは皆のほうへ振り返った。

そして、一行は細い通路を速足で歩いていた。すると、突然天井から爆発音が鳴り響き、上から大きな岩が落ちてきた。

アルトゥアは舌打ちした。

シーナは誰に言うともなく、靜かにつぶやいた。

そして、シーナはふと、足を押えているアルトゥアに気がついた。

4人は駆け足で奥の扉をくぐり、大部屋に出た。しかし、その先の扉は固く閉ざされていた。

アルトゥアとエリヤノフの後に続いて部屋に入ってきたシーナは、扉を見ると素早く回れ右をした。

シーナは部屋を飛び出した。ヴァリシスが後を追いかけようとしたが、他の二人が動かないのを見て戻ってきた。

ほどなくして、大部屋の向こう側にシーナの姿が現れた。

壁を探していたシーナは、スイッチを見つけたようだ。何やら操作すると、防火ドアがするすると開いた。

シーナは入った時と同じように素早く、その部屋を出ていった。

3人は開いた防火ドアの前でシーナの帰りを待っていた。すると、本人の代わりに、彼女のどなり声がやってきた。

3人は顔を見合わせた。

3人が引き返すと、シーナはロボットの残骸を前にふぅと息をついていた。

慌てて部屋に入ってきた3人は、シーナの姿を見て歩みを止めた。

エリヤノフは残骸を調べながらつぶやいた。何事においても、状況の分析が作戦を成功に導く。この採掘場は、いったいどうなったというのであろうか。

シーナは暴走機械に果敢に向かっていった。そして、そいつを叩き壊すと、あたりを見回した。

ヴァリシスは、こんな話をしている二人の顔色をきょろきょろ見ながら、突然言った。

彼女は持っていた大きな散弾銃を振り回しながらそわそわと走り回った。

シーナはヴァリシスに一喝した。

ヴァリシスは突然手を止めてエリヤノフを見上げた。

エリヤノフは首を振って、まだ開けていない扉に向かった。

シーナは下を向いて小声でつぶやいていたが、メンバーが次の扉に向かっている事にふと気がつくと、急いで後を追った。