勇気の証明

プロト-Kは、森を流れる小川を見つけた。深さはくるぶしほどしかなく、一またぎで越えられそうなごく小さな川である。さっそく4人はじゃぶじゃぶと川へ入っていった。

と、その時、突然、プロト-Kの身体からぷしゅーという音がした。

見ると、プロト-Kは完全に固まっている。ガートランドが蹴りを入れたがまるで反応がない。

エクセルとガートランドが二人でボディをごんごん叩くも、まったく反応がなかった。

3人は問題のプロト-Kから一歩離れると、腕組みをして考え始めた。

動かないプロト-Kをぼーっと見つめていたレオンは、ふと何かに気付いた。

見ると、プロト-Kの胸に光っているはずのセクションIDが消えかかっている。エクセルはプロト-Kをのぞき込んだ。

ガートランドはさっきからずっと腕組みをしている。

エクセルの言葉も聞かず、ガートランドはプロト-Kの後に回ると、ボディを寝かせようとしていた。エクセルの方を見ながら足をしきりに指差している。

エクセルがのろのろと足の方へ移動した時、プロト-Kの顔を心配そうにのぞきこんでいたレオンが何かを聞きつけた。

レオンは鞄をごそごそと漁ってモノメイトを取り出し、それをプロト-Kの口に入れた。

プロト-Kの口がかすかに動いたような気がした。モノメイトは口の中に消えていき、そして、急に彼は動き出した。

エクセルは汗を手で拭うと、プロト-Kの足元から離れた。

プロト-Kは小川の岸辺に座ると、レオンが差出すモノメイトを何本も一気飲みした。

プロト-Kはモノメイトの空容器を前にして一息ついた。

レオンはそう言うと、鞄からバナナを一本取り出した。

プロト-Kはガートランドの文句などおかまいなしにバナナを口に運んでいる。

エクセルは自分の鞄からフルイドを取り出した。

エクセルは自分の鞄から今度はガラスケースに入ったフンを取り出した。

プロト-Kの睨みつける視線に対し、ガートは両手をまあまあというように身体の前に出しながら後ずさりした。

レオンはプロト-Kの横に座り、鞄から次々に物を出して手渡していた。そして、プロト-Kはそれを次々と口に運んだ。

エクセルは隣のガートランドに尋ねた。

レオンが次々と差し出すお菓子を、プロト-Kは手で制止した。

と、今まで立っていたガートランドも、レオンの横に座った。

レオンにお菓子をもらって、しばし休憩タイムとなった。

うろたえるレオンを後目に、エクセルはまたお菓子をつまんだ。

エクセルは口の中にお菓子を入れたまま答えている。

プロト-Kの目つきが変わった。彼は立ち上がるとバズーカを構えた。

ガートランドは座ったまま後ずさりを始めた。

バズーカの安全装置を外す、かちゃっという音が聞こえた。

プロト-Kの大声に驚いた3人は、急いで立ち上がると即座に逃げ出し始めた。

大あわてで逃げ出す2人に対して、レオンは途中で止まって振り向いた。

プロト-Kを見つめる真剣な顔。

その一言がプロト-Kを止めた。手にしたバズーカを下げる。

プロト-Kは武器は降ろしたものの、まだガートランドをにらみつけている。レオンがぽんぽんと背中を叩いても動く気配がない。

レオンは少し涙目になっている。

ガートランドは口ごもっている。

この一連のやりとりを、エクセルは遠くの木の陰から見守っていた。

と言いながらも、エクセルはこそこそと近寄ってきた。

安全が確認できたのか、ようやくエクセルはプロト-Kの目の前までやってきた。

プロト-Kはさっきとはうって変わった小さな声で言った。

プロト-Kにつられてエクセルもため息をついた。

レオンがにっこりして言った。

エクセルとガートランドはうんうんとうなずいた。

エクセルはまたメモ帳を取り出して何やらメモをしている。

プロト-Kをさあさあと引っ張るレオンだったが、プロト-Kはガートランドとエクセルをにらみつけていた。

その時、道の向こうからレオンの大きな声がした。

遠くで手を振っているレオンに向かって、皆駆け出した。