ボス戦
アスタシア: おしまい?
部屋のモンスターを一掃して、アスタシアは周囲を見渡しました。すると、遠くでゼロの声がしました。
ゼロ: おっきな転送装置発見
なつめ: ほんとだぁ
ゼロ: もしかして、ボス?
アスタシア: いかにも、って感じね。
ストライク: この先か……
転送ゲートの先は、青い空、白い雲、そして一面の野原でした。凄惨な戦いを予想していた一行には拍子抜けでした。
アスタシア: おや?
ゼロ: なにもないね
アスタシア: わあ、すごくきれい
なつめ: いい天気だね
そこは、クレーターのような、丸い穴の下でした。そして、円の中心に高い塔が立っていました。
ゼロ: あれなんだろ?
ストライク: 塔……?
ゼロとストライクはそこに駆け寄っていきました。
アスタシア: あー気持いいとこだなぁ
なつめ: 昼寝したいね
しかし、誰かが中央の塔に足を踏み入れた瞬間、さっと周囲が暗くなり、緑の草原はどこかに行ってしまいました。代わりに現れたのは苦悶する人の骸骨のようなものです。そして、多数のコマのようなものが出現し、あたり構わず動き回っていました。
そのコマを撃ち落とすと、いよいよボスが出現しました。
なつめ: うわぁ!!
ゼロ: なんだよこれ
アスタシア: 気持ち悪ーい。でもなんかかっこいい
ストライクが猛然とそれに向かっていきました。そして、剣で一撃、二撃。そのボスはあっさりと倒れました。
ストライク: 弱いな……
ゼロ: くりあ〜
アスタシア: ふふ、秒殺。わたしたちにかかれば……
なつめ: 本職なんだし
アスタシア: わたしは見てただけで何もしてないけど
ストライク: 腕が鈍りそうだ
ゲームは終了し、エンディングが流れる中、4人はシミュレータから出てきました。
なつめ: つんつん、上機嫌だね
ゼロ: へへ〜ん
アスタシア: ネームエントリもちゃんとされたことだし……
なつめ: でもさあ、ネームエントリーされたのはいいけどさ……
画面に大きく表示されたのは「7th」の文字。
なつめ: 7位じゃん
アスタシア: あらら……き、きっと他のハンター達も遊んでるのよ
なつめ: まあ、あくまでもゲームですから
ストライク: 1位は……
順々に名前が表示されるのをずっと見ていました。最後に表示されたのは「1st」の金文字と「Zephyr」の文字でした。
なつめ: 暇人ばっかなんだ
アスタシア: まあ、わたしたちも含めてね
なつめ: ま、あぁね。今日はホントに暇人だから
アスタシア: 暇なのはわたしの責任なんだけど……
ゼロ: いつも暇だったらいいんだけどなぁ
ゲームセンターから帰る道で、ストライクは交差点で立ち止まると皆にお別れを言いました。
ストライク: さて、俺は仕事だ……とある施設の爆破の監督だ……
なつめ: もう仕事なの?
アスタシア: 遊びにつき合ってもらって悪かったわね。いってらっしゃい
なつめ: ハッパの仕事なんだね
アスタシア: また暇のある時にでも遊びましょうね
ストライク: ああ……
なつめ: くう〜〜〜!! しぶいね!!
ストライクが「爆破の監督」と言ったとたん、ゼロは目に見えてそわそわし始めました。そして、ストライクが見えなくなるとすぐ、ゼロもお別れを言いました。
ゼロ: あっ、私も用事思い出した。私も行くね
アスタシア: あれ?ゼロさんが?珍しい
なつめ: そうなの?いってらっしゃい!! マラカスかっこよかったよ
アスタシアとなつめは、ゼロが人混みの中に紛れていくのを見送りました。
アスタシア: なんか慌ててるなぁ
なつめ: ひょっとしたらマラカス買いに行くのかなぁ。つんつん、芸人だから
アスタシア: かもね。家でこっそりと猛練習したりして
なつめ: 男って大変だね
二人は店への道を急ぎました。
(おしまい)