ストライクの真実
ステージ3は、どことなく生物の体内を思わせる場所でした。
ゼロ: また雰囲気違うね
なつめ: きもちわるーい!! ぐちょぐちょしてるよ〜〜
アスタシア: 不気味ねー。よくこんなのつくったもんだわ
なつめ: 製作者すごいよ
4人は通路を歩いていきました。通路の壁は赤紫色をしていて、ドクンドクンと波打っています。
ゼロ: 動いてるよ、これ。きもちわる〜
なつめ: うげぇ〜〜〜!!
ストライク: 内蔵みたいだな……
ゼロ: 変なこと言わないで〜
アスタシア: なにかのお腹の中?
ゼロ: はやくここから脱出しましょう。こんなとこにいたくないよ〜
なつめ: こんな気持ち悪いとこ逃げようよ
ゼロは身震いしました。そして通路を駆け出しました。それにあとの二人はゆっくりついていきます。
アスタシア: たしかにあまり心地いいものじゃないかも。でも、ホラー物ってそんなもんよねぇ
ストライク: そうだな……
アスタシア: ストさんはホラー物は好き?
ストライク: 少しは見る……
ゼロ: 怖いからホラーは見ないです
なつめは以前から不思議に思っていた事を聞いてみました。
なつめ: ストライクさんの趣味ってなあに?仕事?
ストライク: 趣味と言えるかは知らんが……
ストライクがここでいったん間を置くと、なつめは興味深げにストライクをじっと見つめていました。
ストライク: 居合いをやりはじめた……
なつめ: 自分を精進することが趣味なんだぁ。すごいねー。すぐに結婚できると思うよ
アスタシア: また料理とか言うのかと思った
ストライク: 料理は必要だから覚えただけだ……
アスタシア: ああ、そうなの。でも前食べたあれ、おいしかったわ
ゼロ: おいしかったね
ストライク: そうか……また作ってやろう
その場にいなかったなつめは、どういうものなのかよくわかりません。
なつめ: 非常に気になる……たくあん?しばづけ?しおからかなぁ…
アスタシア: ええとね……実は名前をよく知らないデザートなの。
ゼロ: なつめちゃん、年齢ごまかしてる?くすくす
なつめ: あれ?前、年齢言ってなかったっけ?二十歳だってこと忘れてた?
アスタシア: 二十歳でたくあんとかしばづけ?
なつめ: いいじゃないの。保存できるし
ゼロ: なんだか、おばあちゃんの知恵袋みたい
アスタシア: もっと、フランス料理のなんとかとかさぁ…わたしもよく名前知らないけど。
なつめ: フランス料理といったらフランスパンでしょ。それ以外食ったことないんだい!!
なつめは強い口調で言いました。
ストライク: 今度……フルコースを作ってやる
なつめ: フルコースって料理あるんだ。それってべったら漬けよりうまいの?
アスタシア: え?え?ほんと?できるの?
ストライク: 一応な……
アスタシア: 趣味は居合い、特技は料理ってとこか
なつめ: まさに婿にしたい男ナンバー1だね。ストライクさんの奥さんになる女性の顔が見たい
アスタシア: いいなー。そんな人の嫁さんになりたいなー
また場の空気が一瞬止まりました。
なつめ: っていってますぜ、どうよ?
アスタシア: あ、えとえと……ち、違うの! 「そんな人」ってだけでぇ……
ゼロ: そなんだぁ。そかそか
なつめ: なるほどねぇ
アスタシアが赤くなって弁解しますが、そんなのは誰も聞いていません。
アスタシア: な、なんでもないったら! わ、忘れて!
なつめ: あはは、赤くなってんの
ゼロ: 赤くなってる〜
アスタシア: 忘れてちょうだい!
ストライクも、ゼロを剣でつっつきます。
ゼロ: ストさん、何するんですか
ストライク: 先行くぞ……
アスタシア: そうそう。先へゴーゴー
ゼロ: あっ、もしかして、ストさんも照れてるんだ
ゼロは列の最後尾でくすくす笑っていました。
ゼロ: なんだ両思いなんだ
なつめ: やれやれ
その二人に対してストライクからゾンデが飛びます。
ゼロ: ごほごほ
なつめ: げほっげほっ
ゼロ: あー、おもしろかったのに……
なつめ: まったくだよ
アスタシア: ストさん怒らせると怖いわよー。ほどほどにしておかなきゃ
なつめ: みたいだね
通路を進んでいくと、また、中央に高台のある大きな部屋に出ました。周囲にはたくさんの扉がありました。4人は手当たり次第に扉を開けて前に進んでいきましたが、道はぐるりと回って元の部屋に戻ってきてしまいました。
敵はたいしたことはありませんでしたが、行き止まりや分岐点が多く、何度も例の部屋に戻ってきてしまいます。
なつめ: また戻ったよ
アスタシア: あらら。わけわかんなくなってきたわ
なつめ: あっちの道はどうかなぁ?
しかし、行った先はまた行き止まりでした。
ゼロ: 行き止まりだ
アスタシア: あらら、もしかして迷った?かっこ悪〜。まるで力だけが頼りのバカ集団みたい
ストライク: 支給された物にマップはなかったか……?
アスタシア: ない……と、思う、きっと……
なつめ: あるはずだよ。なかったっけ?
アスタシア: いやまあ、道を自分で見つけるのも楽しみのうち。でしょでしょ?
ストライク: ああ……
そんな中、なつめはしきりにくんくんと鼻を鳴らしていました。
なつめ: この先だと思うんだよ……
そして扉の一つをくぐり抜け、長い廊下を抜けると、見たことのない部屋に到達しました。
アスタシア: あ、ほんとだ
ゼロ: なんで匂いでわかるんだよ〜
なつめ: カンだよ
ゼロ: いくぞ〜
アスタシア: おー
同じ道をぐるぐる回っていて嫌になっていた一行は、とたんにまた元気になりました。