何でも屋5: 謎の研究

注意:今回はオンラインクエスト「明日の代価」に関するネタバレが含まれています。

気になる依頼

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今回の仕事の依頼は総督府からだった。ハンターズギルドを通した正式な依頼だった。研究施設を破壊して欲しい、とのことだった。
依頼人: 研究所には所々でセキュリティーシステムが働いている。これを持っていってくれ。これで、ほぼ施設全域のセキュリティは解除できるはずだ。
依頼人は4人にIDカードを渡した。ストライクはIDカードを表にしたり裏にしたりしながら眺めていた。

その間も、依頼人は仕事の説明を続けていた。研究施設に潜入してからの行動は全て任せる。施設内の実験施設を使用することも選択肢の内だという。
依頼人: 恐らく、研究施設最深部に位置するホストコンピュータの機能を破壊できれば任務は完了するはずだ。では、健闘を祈る
なつめ: なんだよ、えらそーに
アスタシア: ですって。みんなわかった?なんだかよくわからない依頼だけど……
ゼロ: 難しくてわからなかった……
なつめ: 要はぶっ潰せばいいわけだよね?施設を……
なつめはそう言って依頼者からアスタシアの方に向き直った。そして、見慣れた顔がないのに気がついた。
なつめ: あれ?元締め〜、ひかりちゃんは?
アスタシア: ちょっと試験でね。お休みだって。
なつめ: え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、いないんだぁ……
ゼロ: えっ! ひかりちゃん、いないの?

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ストライクは、手にしたIDカードを自分の左手の端末にIDカードを差して、じっと目を伏せていた。すると、なつめは突然あっと声を上げて、ストライクの正面にやってきた。
なつめ: ストライクさん、はじめまして
ストライクは目を上げた。
ストライク: ああ……
なつめ: よろしくね
アスタシア: ストライクさん、なつめさんです
なつめ: 無理強いてここの社員になりました
ゼロ: あはは
ストライク: そうか……
アスタシア: 仲良くしてあげてね
ストライクは生返事だったが、なつめはにっこり笑った。
なつめ: ひかりちゃんから聞いてますよ。スゴ腕のハンターなんだってね
ゼロ: どうも……
なつめ: しかも料理もうまいんだってね。一家に一台は欲しいよね、元締め
アスタシア: ウチの社員だったらねぇ
ゼロ: 一家に一台ねぇ
ストライク: その事はどうでもいいだろう……
なつめ: ごめん、話を脱線させちゃった

ストライクは、まだIDカードを見つめていた。
なつめ: でもさぁ、このIDカードって何に使うの?
アスタシア: さあ?そういうのはわたしは専門外だから…
ゼロ: セキュリティがどうの言ってたけど
ストライク: 施設の侵入の為だろう……
なつめ: なるほどー
アスタシア: 入ってみて困った時に考えればいいのよ
ゼロ: 行きあたりばったりだなぁ
彼らの後ろでは依頼人が腕組みをしながら立っていた。足で床をコツコツ叩く音がする。
アスタシア: さて、依頼人に怒られないうちに行きましょう
ゼロ: 行かなきゃ、ダメ?だよなぁ。はぁ
ストライク: ともかく……行こう……

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彼らがハンターズギルドを出ようとすると、白衣を来た男が話しかけようとした。声の調子も高く、明らかに興奮している様子だった。そして、警備員にすぐさま取り押えられた。彼は二人の警備員に両腕をつかまれながら、なおも叫び続けた。
科学者: 頼む! ホストコンピュータだけは破壊しないでくれ! あそこには私の研究のすべてが記録されているのだ!
アスタシア: むー、コンピュータを破壊しないでくれ、だってさ
なつめ: はやくコンピュータぶっこわそうよ。腕がなるよ
アスタシア: 本当にいいのかな?なんかうさんくさいんだけど
ストライク: 行こう……
ストライクとアスタシアとなつめは揃ってギルドを出た。しかしゼロはなかなかついてこなかった。
なつめ: つんつん〜〜〜!! いくよ〜〜〜!!
ゼロ: つっ、つんつんいうなぁ! 僕はゼロだぁ
なつめ: 髪型がつんつんしてるからだよ
ストライク: ゼロ……早くしろ
なつめ: 早くしないと悪い噂ばらまくよ
ゼロ: ええ、そんなぁ
先頭に立って歩いていたアスタシアの足がふと止まった。
アスタシア: 悪い噂?そんなのあるの?
なつめ: とある知り合いに聞いたんだけどさ、つんつんってさ……
ゼロ: なつめさん、僕何も悪いことやってないよ〜
ゼロは慌ててなつめの言葉を遮った。
なつめ: まぁ、いいや、とにかく行こうよ
アスタシア: あー、気になるー。ちょっと、なんでそこで話切るのよー
なつめ: ふっふっふ
ストライク: 行くぞ……
今度はストライクが先頭になって歩いていった。アスタシアは遅れ気味だ。
アスタシア: あー気になる
なつめ: まぁ、噂は噂だから、信用しちゃいけないよ
ゼロ: 気にしちゃだめですよ
アスタシア: うーん、まあ、おいおい聞くわ
ゼロが不安気な顔をしていた。