何でも屋14: お見舞い品のベストチョイス

入院しているひかりちゃんへのお見舞い、何にしようかなぁ

あらこんな所に

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細い脇道にそれると、うっそうと茂った森の中の小さな空き地に出た。
アスタシア: あ、ここにもいちごがありそうな雰囲気
ゼロ: あああ〜〜〜、見つけた〜〜〜
なつめ: あっ!!つんつん、すご〜い!
アスタシア: よかったわ〜
アスタシアはいちごを受け取ってタッパーにしまった。
アスタシア: そういえば……もしかして、見つけてないのわたしだけ?
ゼロ: そうだよ〜。私は見つけたも〜ん
アスタシア: むむー。ストさんやなつめさんはともかく、ゼロさんにまで先を越されるとは
ゼロ: ふふ〜ん
ゼロは勝ち誇った表情で、大きく胸を張った。
アスタシア: あー、ほんと、どっかにないかなぁ
なつめ: とにかく探そう!!
アスタシア: よおし!

本道に戻ってしばらく行くと、ゼロが何かを見つけた。
ゼロ: こっちになにかあるよ〜
アスタシア: どれどれ?
なつめ: あっ、すご〜〜い!!
ゼロが指差しているのは、転送機だった。
ゼロ: これで行けないかな。ドームまで
ストライク: 行けるな
アスタシア: 行きましょう。絶対にいちご見つけてやるんだから
なつめ: お〜〜!!
4人は転送機に飛び乗った。


出てきた先はドームの前だった。さっきもいた紫色の奇妙な袋があった。
ゼロ: ああ〜〜さっきの虫吐くやつ〜
出てきた虫やらブーマやら何やらを退治して、4人はあたりを見渡した。
アスタシア: むむ、コンクリートばっかりじゃない。うーむ、こんなとこにいちごなんてないだろうな
確かにいちごどころか草一本生えてなかった。しかし、ストライクは片隅に転送機があるのを見つけた。
ストライク: 転送機か……
ゼロ: 入ってみようか

なつめ: いちご、見あたらないなぁ
転送機の先は、ドームの建物と森に囲まれた小さなくぼ地だった。一人だけ転送機に入らずにいたアスタシアが、3人の転送先をいちはやく見つけた。
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アスタシア: あ、やっほー
ゼロ: やほ〜〜〜
アスタシア: いちご、あった?
なつめ: あっ!!スカート、見えそうだよ
アスタシア: え!?
アスタシアはいったん後ろに下って、今度はスカートを押さえながらおずおずと出てきた。
アスタシア: で、いちご、あった?
ストライク: わからん……
なつめ: だめだぁ
アスタシア: だめか……ここまで来てだめだとすると、この先って……
ストライク: あれ、だぞ……
ゼロ: もしかして、ドームの中?
アスタシア: ドームの中! あるかもしれない?ほんとかなー
ストライク: さあな……
なつめ: まあ、信じようよ
アスタシア: とにかく、あと一つないといけないんだから、どこだろうと行きますよ
ゼロ: 確認しに行かないと

ドームの扉は壊れていたが、その先に大きな転送機を見つけた。
アスタシア: こ、これは?もしかして、この先?
なつめ: どこにつながるの?
ストライク: ふむ……地下だな
ゼロ: ドームの中に入る装置じゃないかなぁ
なつめ: 入ってみようよ
アスタシア: 入ってみましょう


なつめ: なんかいるよ〜
アスタシア: わわ
そこには巨大なドラゴンがいた。当然のことながらブーマや狼のようにはいかなかったが、それでもストライクのすさまじい攻撃力も含めて人間側が火力で圧倒していた。ドラゴンはほどなく倒れた。
アスタシア: あーびっくりした。こんな大きなのがいるなんて
なつめ: ホントホント。知らなかったよ
ストライク: やれやれだ……
アスタシア: それにしてもすごい動物ね。背中には苔やなんかが生えてるし……これは!?
アスタシアはドラゴンの鱗と鱗の間に何かを見つけた。
アスタシア: いちご……?
ストライク: だな
なつめ: ええ〜〜〜〜!?
アスタシア: ほらほら、これ
なつめ: ホントだ。まさに珍しいいちごだっ!!すごく熟れてるよ
アスタシア: 食べて大丈夫なのかな?ちょっと不安だけど
なつめ: いちごなんだから大丈夫でしょ
アスタシア: きっと普通のいちごとは違ってすごく美味しいわよ。もしくはすごくまずいか……
ストライク: ともかく……いくつある?
アスタシア: 2つある。一個味見してみればいいのね
ストライク: そうだな……
アスタシアはいちごを一つゼロにぽんと渡した。
ゼロ: って、いいの?
アスタシア: 味見しなさい
なつめ: どんな味なんだろ?
ゼロは受け取ったいちごをぱくっと口にした。
ゼロ: うっ
ゼロはそれを口に入れた瞬間、言葉につまった。
アスタシア: ヤバい!?
なつめ: どうしたの!?
アスタシア: 毒!?
ゼロ: うま〜〜い。甘くておいしいよ〜
ストライク: ふむ……甘さが強いのか……?
なつめ: そうなんだぁ
アスタシア: よかった
アスタシアの安堵するさまを見て、ゼロが尋ねた。
ゼロ: よかったって?
アスタシア: いや、もし毒だったりしたらね
なつめ: 元締め、ひどすぎるよ〜
ゼロ: うう〜
アスタシア: あぁー、ごめんごめん

なつめ: とにかくいちごが4つあったんだ。
アスタシア: これでOKね
なつめ: 早く帰ってタルト作ろうよ
ストライク: ああ……戻るぞ