何でも屋10: 幻のケーキ屋

洞窟の奥にあるという幻のケーキ屋.ひかりちゃんの試験終了はどうしてもその幻のケーキで祝いたい.そのために4人ではるばる洞窟へと向かいました.

敵をやっつけよう

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4人は洞窟の広くなっている場所に出た. 例によってモンスターがたくさん巣喰っている. 4人は散開して退治を始めた.
なつめ: 元締め, 補助テクニックお願い!!
アスタシア: うわあ, けっこう敵が激しいのね
なつめ: 意外に激しいよね
ゼロ: わわわ, いたい! 寄るなぁ
ゼロは広い洞窟の隅から隅までを逃げ回っていた. ようやく敵を退治できた時, ゼロは片隅でうずくまっていた.
なつめ: 大丈夫?
アスタシア: ゼロさん, もう大丈夫よ
ゼロ: ぜぇぜぇぜぇ, もうだめ
なつめ: ふぅん, 帰るんだぁ. ひかりちゃんをお祝いしないんだぁ
ゼロ: うう, ひかりちゃんのためだもんね. がんばらなきゃ
ゼロは拳を振り上げました.
なつめ: そうそう. そうでなくっちゃ
アスタシア: そうそう, その意気

なつめ: それじゃ, 先へゴー!!
なつめは元気良く走り出していった.


アスタシア: あ, 待ってー
洞窟の通路を進んでいると, 後ろからアスタシアの声がした.
なつめ: どうしたの?
見ると, 後ろから彼女が慌てて走ってきた
アスタシア: ふぅ. ぼーっとしてたらおいてかれちゃった
ストライク: 気をつけろよ……ただでさえ暑いんだ……
ゼロ: おそい〜, へへ〜
ゼロはうれしそうにしていた.
なつめ: どうしたの? 顔がニヤニヤしてるよ
ゼロ: えっ? だってぇぇ……いつも遅れるの僕でしょ
アスタシア: あー, ごめんなさい
アスタシアはいつも自分がゼロに言っている事を思い出して, とにかくこの場はあやまることにした.
なつめ: 言われてみればそうだよね. でもさぁ, なんでつんつんは遅れるわけ?
ゼロ: あぅ, いいだろ〜
なつめ: トイレが長いのかなぁ?
ゼロ: 違うよ〜〜
アスタシア: なにか理由でもあるの?
ゼロ: 理由は……
ゼロは少し考えて, 照れながら言った.
ゼロ: どんくさいだけだよ〜
ストライク: 自分で言っていれば世話はない……

なつめ: ふーん, もっと別の組織と関係してると思ってた
アスタシア: 組織?
なつめが突然言った言葉に, ゼロはまた目を丸くした.
ゼロ: あぅ
なつめ: って冗談だよ冗談. つんつんが二足のわらじの生活なんてできそうにないからね. あはは
ゼロ: なんですか, それは
アスタシア: なに? こっそり隠れてバイトでもしてるの?
なつめ: ひょっとしたらそうかもしれないよぉ〜〜, 確信できないけど
アスタシア: え〜〜
ゼロはさかんに首をぶるぶる横に振った.
ゼロ: こっちで手一杯です
なつめ: どうやら違うみたい
アスタシア: 違うの? よかったぁ
なつめ: でもねぇ, つんつん, ずっと前さぁ, つんつんそっくりの人見かけたよ. 匂いまでそっくりなの
ゼロ: 匂いまで一緒ですか
ストライクはあわててなつめの口を塞いだ
なつめ: あわわわっ!! ふごーふごー
ストライク: 気のせいだろう……
ゼロ: どんな人だったんですか
なつめ: すんごくわる……
ストライクがゼロをギロッとにらんだ.
ゼロ: う〜ん, 悪者さんですか
なつめ: みたいなもんだね
アスタシア: ゼロさん大丈夫? 汗がたくさん出てるけど……
ゼロ: ここ暑いから. あはあはは
なつめ: じゃ, バータで凍らせよっか?
ゼロ: いらない
なつめがテクニックを発動する構えを見せると, ゼロはあわてて否定した.
なつめ: むー

そのやりとりをアスタシアはうつろな目で見ていた.
アスタシア: なんだか暑さでぼーっと……
なつめ: ごめんごめん, 早めに行かないとね
アスタシア: こんなとこ早く抜けましょう
アスタシアはふらふらと通路の奥に進んだ.

ゼロ: みっけぇ
洞窟をしばらく進んでいくと, 転送装置があった.
なつめ: 転送装置があるよ
アスタシア: あ, ほんとだ.
なつめ: つんつん, 調べて
ゼロ: 調べる〜
しかし, 転送装置のコンソールでは既にストライクが作業を行っていた.
ストライク: よし……行くぞ……
なつめ: ご〜〜!!
アスタシア: 行くわよ
ゼロ: ああ〜〜, 何もできなかった
なつめ: 気にしない気にしない
一行は転送装置を抜けて, さらに奥へと向かった.