何でも屋1: 機械の修理

ひかりがまた声を上げた。近づいてみると、不時着した小型飛行バイクだった。

ひかりは改めてその壊れた機械をしげしげと眺めた。

動物避けの柵を乗り越えると、そこは今までと同様に野生の世界だ。ただし、今までの森と違うのは動物がより凶暴になっていること。調査段階とはいえ、パイオニア2の人の手がより多く入っている森の入口はまだ楽なのだ。

ひかりとゼロは顔を見合わせて笑っていた。

ひかりは胸を張って歩き始めた。すると、遠くの方に巨大な建物が見えてきた。

一行は森の奥で奇妙なものを発見した。

それは、高さ5〜6mの円筒形の物体だった。赤いマークが3方向についており、オレンジ色に光っていた。

ひかりは身震いをした。

ゼロはこの物体の周囲を何回も回りながら、時には同じ所をじーっと見つめながら、さかんにメモを取っていた。そしてひかりはというと、駆け出していってしまった。遠い所で一人ぽつんとこちらを眺めていた。

ストライクは表面の模様を指でなぞった。

アスタシアはちらっと横を見て、ひかりがいないのに気がついた。

そして、彼女の姿を遠くに認めた。アスタシアがひかりの所まで駆け寄ると、ぶるぶる震えているひかりが目にとまった。

アスタシアは心配そうな顔で、ゼロとストライクの様子を見るために戻っていった。

その頃、ゼロはあい変わらず物体を熱心に調べていた。

すると突然ストライクが振り向いた。

ゼロも調査の手を止めた。

アスタシアがのぞいてみると、ゼロはまだ物体の表面にかじりつくようにして何かの作業をしていた。そして、それをストライクがじっと見ていた。

調査をしていたゼロも機嫌よく出てきた。その時、遠くからひかりの声がした。

その声で、3人は奇妙なその物体を離れてひかるの元に向かった。

ゼロは後ろを何度も振り返りしながらその場所を後にした。

アスタシアは歩きながら状況を把握しようと努めていた。

そこに、名残り惜しそうに後ろを歩いていたゼロが追い付いた。

アスタシアはそんな二人を見比べていた。にこにこしているゼロと、まだ震えが止まらないひかり。

アスタシアはゼロをまじまじと見つめた。