ちびっこ探険隊

4人が元気に扉をくぐった先は、猛獣がうろつく危険地帯です。今日最初のお客さんは……黄色いラッピーでした。かわいい外見とは裏腹に、力も強く獰猛なのです。

ミルちゃんはそう言うと、ててて、とラッピーに向かって駆け出しました。

ミルちゃんは、両手を大きく広げて抱きつこうとしましたが、案の定、固いくちばしでつつかれます。

ウォン君はそこにすかさず割って入り、持っていた剣でラッピーを殴りつけます。

ミルちゃんも持っていた杖を手に、殴りつけます。

4人は手にした武器で乱戦に突入しました。

読者の皆さんはご存知でしょうが、ラッピーは足が早く、反撃されるとすぐ逃げ出す習性を持っています。この時ももちろん、殴られたラッピーはどどど、と猛スピードで逃げ出しました。

同時に同じ事を言った2人は、思わず顔を見合わせます。

ミルちゃんは言葉に詰まり、ちょっと時間を置いた後、元気のない声でぼそりと言いました。

ウォン君はそう言うミルちゃんの肩をぽんぽんと叩きました。

それはちょうど、獲物のラッピーが一匹で向こうからノコノコと向かってきた所でした。

ウォン君が強かったのか、それともやってきた不運なラッピーが弱かったのか、ウォン君がぶんぶん振り回す剣に当たってラッピーはたちまちひっくり返りました。

倒れたラッピーは素早く起き上がると、猛スピードで森の奥へと逃げ出しました。ウォン君はそれを勝ち誇った顔で見ていました。

ともかく、4人は、最初の猛獣を撃退したのでした。そして、どんどん奥深くへ進んでしまいます。

次に登場したのは、ぶよぶよした蚊の巣、モネストです。紫色と緑のコントラストが美しい……と肯定的に見る人はほとんどいなくて、森の嫌われ者の筆頭です。

逃げまどう女の子たちに対して、ウォン君は、袋の中から出てくる蚊に悩まされながらも、敢然と剣を振り回します。やがて、袋はぶしゅーっと音をたてて潰れました。

ウォン君はふうと一息つきました。

ウォン君はポケットから出した地図を広げました。

と、向こうの扉を指さすと、さっさと歩いていきました。

今度は毎度おなじみブーマです。ラグオルの森に幅広く棲息する彼らは、繁殖力も強く、森のいたる所でうろうろしています。仕草は結構かわいいにも関わらず、その顔のおかげで人気は高くありません。

もはや慣れたのか、それともブーマが弱いのか、4人はぼこぼこに殴って危なげなくブーマを撃退します。

そして、血の匂いを嗅ぎつけたのか、ウルフもやってきました。

向かってくる猛獣をみんなやっつけて、森はまた静かになりました。

ウォン君は剣を収めました。

ウォン君はあきれ顔で言うと、また地図を広げました。

段々岩までだんだん近くなってきました。

4人は段々岩のまわりを回って、さらに奥へと進んでいきました。道中にはブーマが我が者顔で居座っています。

いつものように剣を振り降ろしたウォン君でしたが、ブーマの方が一瞬早く、大きな腕の直撃を受けました。ブーマは動作は速くないものの力が強く、一撃をくらうと結構効きます。

ウォン君はひっくり返ったものの、女の子たちの助けもあって、ブーマは無事撃退されました。

ミルちゃんは不満げに言いました。

ウォン君はあたりを探し回って、やがて森の茂みの中にうっすら続く小道を発見しました。

ミルちゃんはずっと不満そうです。

とは言うものの、ミルちゃんの声にはいつものような威勢がありません。

そう言って、4人はウォン君を先頭に、下草をかきわけながらさらに奥へ入っていきました。