ガイドブックで大儲け

ラグオルっていいところだよ!さあ、森にでかけよう!そんな観光ガイドブックを今のうちに作っちゃおうという、なんとも気の早いガート君。さあ、依頼の方はどうなるでしょうか?

自分たちも楽しんじゃおう

ザック: くそー、眼鏡が割れちまうよ、まったく
いきなりジャンプしてきたヒルデベア、手ごわい相手です。なんとかやっつけはしましたが、でも一行は疲れ切ってます。
ミウ: いったん街に戻ろうか?
ガート: わかった
街へのゲートを出すと、ザック君は一歩後に下がりました。
ザック: ぼくは残るよん
ミウ: そう?
アイラ: じゃ、ゴリザルに襲われないように、せいぜい気をつけてちょうだいね
ミウ: すぐ戻るからね
首をかしげながらも、3人は街に戻りました。
ザック: ふー、やっと一息つける。カメラマンがいちゃー素顔出せないしなー
ザック君、なんだか隠し事をしているようです。本当は誰?


アイラ: 戻りましょ。ザックちゃんが心細い思いで待ってるわ、きっと
ミウ: そうだね、おぼっちゃんだし、寂しがりかもねー
3人は急いでゲートをくぐります。その先はもちろん、さっきまでいた森。
ミウ: あれぇ?
ガート: ザック、どこへ行っちゃったかな?
ガート君はあちこち探し回ります。そして見つけたのは、森の隅っこの、ちょっと奥まった所です。
ガート: あ! みつけた! ここだよ!
ザック君、あわてて眼鏡をかけています。
ザック: いやー早いね、みんな
アイラ: ブーマに食べられかけてなぁい?あら、無事なの。なぁんだ
ミウ: そんな隅っこで、何してんの?
ザック: なんでもないよ
ミウ: 心配させないでよ
ザック: 心配した?
ミウ: そりゃ、もちろん
ザック: いいとこあるなー
うんうん、ザック君、いつもああ言ってるけど、本当はね。

ザック君がいた所、そこは妙な柱が立っている所でした。茶色で、錆びていて……、でも本当に金属なのかもよく分からない、そんな柱です。
ガート: ところで、この変てこな柱、なに?
ミウ: さあ
アイラ: 政府の正式な発表以外は、知らないわねぇ
ガート: 誰も知らないのか……
ガート君、腕を組んで考え事をしていましたが、なにやらひらめいたようです。
ガート: よし、決定! これは「恋愛成就の柱」だ!
ミウ: はあ?
ガート: ここの前で愛を告白すると結ばれる! そういうことにしよう。
またまた開いた口がふさがらない一行。これで何度目でしょうか。
アイラ: まあ、そういうのもアリかもしれないわね

さて、勝手に命名した柱も写真に収めます。
ガート: じゃ、ザックさんとだれかと2人でお願い。そこの前に立って
アイラ: あたしは遠慮するわね
ミウ: ボクでもいいのかな?
ガート: もちろん
ミウ: モデルとしてだよ
柱の前に立ったザック君とミウちゃん。
ガート: うーん、もうちょっと近寄れないかな
ミウ: どこに?
ガート: 二人の間!
ああ、わかってないなあ、とでも言うように、ガート君は鋭く言います。
ミウ+ザック: こう?
ガート: そそ、そんな感じ。いい感じだ。
何回か自分の立つ位置を変えながら写真を撮っていたガート君、二人を見てちょっとためらってからこう言いました。
ガート: できれば、その……手なんかつないで……ダメかな?
ミウ: へ?
ザック: じゃいいかな
恐る恐る手を差し出す二人。
アイラ: 向かい合うとさらにいいんだけどぉ……
ガート: そうそう、そんな感じ。いいねえ
カメラを構えながらも、ガート君はぼそっと
ガート: ちょっと悔しいかも

ガート: はい、ありがと。もういいよ。これでまた観光名所ができた。
おやおや、勝手に作っていいの?

アイラ: ここから、上に行けるのよね
一行の目の前はセントラルドーム。高い壁の向こうなんですが、目の前に転送ゲートがあります。
ミウ: GO!

ドームの前はちょっとした広場になっていました。
ガート: ほう、なかなか壮観だなぁ。こんな立派な建物だったとは
アイラ: 大きいから迫力はあるわね
ザック: でも意外に荒れてるなー。ひびだらけじゃん
アイラ: 爆発事故の影響なんじゃないかしらね

ほぉーという感じでミウちゃん、ドームを見上げています。体をうんと反らせて、もっと上を……。そして、なんと、そのまま後ろに倒れてしまいます。マグがクッションになって怪我はしませんでしたが。
アイラ: あたた
ガート: おいおい、大丈夫?
アイラ: 頭はうってないわね
ミウ: うん、ありがとね
ミウちゃん、アイラさんにまたぱたぱたとほこりを払ってもらいます。そういえば前にもこんなことありましたね。
ガート: 間抜けな話だなぁ。上見ててひっくり返るとは。
ミウ: むう、間抜けはひどいなー。うっかりさんと言ってほしい。
ガート: ま、そんなとこがかわいいんだけどね
アイラ: あら、誉め言葉だったのね。うふふ
引いて押す、これが人をほめる時の基本です。って……ガート君、やりすぎ。

アイラ: ところで‥‥ザックちゃんって、恋人いるのかしら?
ザック: ぎょ! いないいない
いきなり話を振られたザック君、そりゃ誰でもぎょっとしますよね。懸命に首を振ります。
アイラ: でしょうね
ザック: なにがでしょうだ
こうストレートに言われるとかえってムカつきます。ザック君、珍しく怒ってます。
アイラ: 乙女心がわからないと、恋人は出来にくいわよ?
ガート: いない?でも出来るといいね
アイラ: まあ、頑張ることね
ガート: そのためにはテクニックも必要だよ(ぼそ)
ガート君、ザック君の横で何やら耳打ちしています。
ザック: 乙女心なんて習ってないもん。ぷん。
アイラ: 習ってわかるものじゃないもの、ねえ
ガート: ま、そのうちわかるようになるよ
ザック: くそー
ふくれっ面のザック君には目もくれず、アイラさんはさっさと奥に行ってしまいます。ザック君、やっかいなのを敵に回しましたね。