ガイドブックで大儲け

ラグオルっていいところだよ!さあ、森にでかけよう!そんな観光ガイドブックを今のうちに作っちゃおうという、なんとも気の早いガート君。さあ、依頼の方はどうなるでしょうか?

心うきうきわくわく

ミウ: 痛い
ザック: 大丈夫?
ミウ: うん。ありがとね
ザック: さすがにこたえるなー
アイラ: もう、いったぁーーい
ミウ: 平気?
アイラ: ええ、なんとか
ミウ: 良かった
奥地では、ブーマの数も増えてきています。殴られる回数もだんだん増えてきました。一帯にブーマがもういないのと、それからみんなの無事を見届けて、ミウちゃんはにっこり微笑みました。

ガート: ご苦労さま
アイラ: 顔に怪我しちゃ、駄目よ?
ミウ: 気をつけるよ。
ガート: ハンターも大変だね。そんなことまで気にして戦闘するんだから
ザック: うーん、迫力ある台詞だ
アイラ: ザックちゃん、なにかしら?
アイラさんににらまれるのはもう何回目になることやら。これ以上はもうコメントしません。
ミウ: ザックちゃんはデリカシーに欠けるなあ。そんなんじゃ、モテないよ。
ガート: ザック、いいのかい?そんなんで?ここはチャンスかもしれないよ?
ザック: チャンスね。むー、一般人の言うことはわからん

ミウ: 顔が命! 女の子だものー
アイラ: やっぱり、旦那さまには綺麗な体で
ガート: だれかなー、旦那さんって‥‥
アイラ: あら、わたしのダーリンは……内緒よ
ガート: ……いるのか…残念
ザック: おっ、意外な反応…いたのか…。本当か?(じとー)
疑わしげな目つきでアイラさんを見つめるザック君。アイラさんもお返しに
アイラ: ザックちゃん、なぁに?(にっっこぉぉぉぉ)
ひきつった笑顔で応戦。二人の靜かな戦いは、それはもう壮絶なものでした。

思わず目をそらしたザック君に、勝ち誇ったような顔のアイラさん。ガート君の方に向き直りました。
アイラ: さ、馬鹿は放っておきましょ。カメラマンさん、いい風景、撮れてるかしら?
ミウ: 本、売れるといいねー
ガート: ああ、ああ、撮れてるよ。可愛い女の子もね
アイラ: あら、あたしとミウちゃんのこと?ありがと
ガート: いっとくけど、お世辞じゃないよ
ミウ: え?ほんとかなー(てれ)
ザック: タイトルが美女と野獣にならなきゃいいが……
アイラ: 野獣は、ザックちゃんで決まり、ね
ミウ: なる
ザック: ブーマじゃないのか?野獣は
アイラ: ザックちゃんだってかわんないわよ
ザック: ぐぬ。失敬な……
ガート: 喧嘩するほど仲がいいってこのことかなぁ…
そうならいいんですけどね。

ガート: ちょっとこのきれいな風景も撮っとこ
アイラ: まぁ…この木洩れ日なんかは絵になりそうねぇ
ミウ: うん
ガート: カメラアングルの中にちゃっかり入ってくるんだ
見るとミウちゃんとアイラさん、ガート君の正面に移動しています。そんなにまでして写りたいものなんでしょうか?
アイラ: まだ、奥へ進むのよね?
ガート: もちろん! ラグオルのすべてを写真に収めるのさ
ミウ: メモリー足りるかな?
ザック: 転送ゲートだ。さあ、いくよ
ゲートの奥は、敵も強いんですよ。気を引き締めて進んで下さいね。

ゲートの先は、暗い雲がたちこめ、雨がぽつぽつと降っていました。
ガート: 雲行きが怪しくなってきた……
アイラ: やんなちゃうわねぇ。こっちは雨だわ。
ガート: こんなんでちゃんと写るのかな?
ミウ: それはカメラマンの腕次第でしょ
ガート: 試しに……
ガート君はファインダーをちょっとのぞくと、そのままシャッターを切りました。
ガート: ちょっと露出を変えてみるか……
アイラ: 今、撮らなかった?
ガート: ああ、試しに撮ってるだけだよ
アイラ: そう、試しなのね
ガート: そうそう、試しだよ。どうかした?アイラさん
見ると、アイラさん、コンパクトを出してしきりにお化粧を直しています。
ザック: かー
ザック君、いつもの憎まれ口すら出ません。
ミウ: 女は努力さ!
アイラ: そう、美貌は努力なくしては得られないのよね。たゆまぬ努力と節制。これ基本!
ミウ: おー
アイラ: まあ、殿方にはご理解いただけないでしょうけど
ミウ: でも甘い物の誘惑には勝てないな、ボク
ミウちゃん、うんうんうなずきながらも、ちょっと自信なさそう。
ザック: 理解できんなー。こっちの方がかわいい
ザック君、そうやって自分のナーガを撫でてるから、毎回ああ言われるんですよ。

さて、一息ついてさあ行こうという時、ガート君が待ったをかけました。
ガート: あ、ちょっとまった。そこの大木、名所になりそうだなぁ
ちょうどミウちゃんの立っている横に、本当に大きな木が立っていました。
ミウ: これ?
ガート: そうそう。どんなコピーがいいかな
ザック: ユグドラシルとか?世界樹は?昔地球の神話にあったそうだよ
ミウ: 燃えるかな?‥‥しけってるみたい。ま、環境破壊してもしょうがないかぁ
ガート: おいおい、ミウ、やめなよ、変なことは
せっかくいいことを言っても、ミウちゃんの怪しい行動で無視されるザック君。ほんと不幸。