Phantasy Star Onlineでロールプレイをしよう(上級編)

一通りロールプレイができるようになったあなた、さらに上を目指すことを一緒に考えてみましょう。

会話

キャラができれば、会話はそんなに難しいことではない。前述のように設定がで きていれば、言わなければならないことはすらすらと出てくるはずである。キー ボードをある程度速く打つ技術は必要だが、それはここでは論じない。 (Typing of the Deadで練習せよ)

ここでは、会話をする上でいくつか注意しなくてはならない点について話をする。 ここでも、前述のような小説の作法が参考になるだろう。

特殊な文体

会話も文章であるから、その文体が大切である。おそらく、女の子なら女言葉で 話すとか、荒くれ男なら乱暴に話すといった、キャラにあった話し方くらいはだ れしもしていることと思う。(していない人がいたら、初級編からやり直せ) ここでは、特殊な文体について少しコメントしよう。

ありがちなのが、変な語尾をつけるという文体である。 「××だっちゃ」とか「××ですまんねん」とか、アニメではおなじみのしゃべ り方である。 こうした文体を使うことに対しては、「これは結構難しいから気をつけろ」と注 意したい。

第一に、こうした文体の過剰使用は、他のプレイヤーに嫌悪感を催さ せる場合がある。いわゆる「うっとおしい」というやつだ。第二に、真面目なセ リフが言いにくくなる。「大丈夫、キミのことは俺が守るですまんねん」ではい かにもサマにならない。

妙な文体は、キャラのイメージを不必要に固めてしまうことが多い。普通の人な ら、真面目にしゃべることも、ふざけて冗談を言いあうことも、キザな台詞を吐 くこともできる。しかし、「××ですまんねん」というしゃべり方をするキャラ は三枚目の発言しかできなくなってしまう。これは損だ。 そして、一番問題なのは、微妙なニュアンスを伝えることがやりくくなってしま うという問題である。語尾が決まってしまっていると、しゃべり方に制約にでき てしまう。

特に最初のキャラの場合、できるだけ普通のしゃべり方にすることをお勧めする。 その後、やりたければ個性的なしゃべり方をするキャラを作ればよい。私はこう したしゃべり方を否定するつもりはもちろんない。ただ、難しいから気をつけろ と注意したいだけなのだ。

もちろん、普通のしゃべり方とは、あなたが普段しているしゃべり方ではない。 普通のしゃべり方といっても、まじめ学生風とか体育会系風とかオヤジ風とか軍 隊風とかOL風とか奥様風とかいろいろある。つまり、ある特定のジャンルの人が しゃべっていそうなしゃべり方をせよということである。そのどれでもない個性 的なしゃべり方をするのはその後でも遅くはない。

ショートカット

ロールプレイを始める人が最初にやり出すのが、ショートカットの登録である。 キーボードがあれば最大20個のショートカットがあるため、いろんな言葉が入れ られる。

しかし、ショートカットについては危険性も指摘したい。ショートカットがある と、ついすべての受け答えをショートカットに頼りがちになってしまう。他の人 からすると、「あっ、これはショートカットだ」と一目瞭然なのだ。その場 の状況は場面場面によって異なるのだから、ショートカットはできるだけ少なく、 場合によってニュアンスを変えてしゃべるのが望ましい。

「こんにちは」「はい」「いいえ」など、簡単な言葉をショートカットに入れて いる人もいるかと思う。もちろんそれでもいいのだが、そのくらいはすぐキーボー ドから入れられるようにキーボードを打つ練習をしよう。ショートカットでなく キーボードから入れる癖をつけると、「はい」だけじゃなく、「はい、僕もそう 思います」など、ちょっとした変化がとっさにつけられるようになる。

私は、ショートカットについては、「長い文章でとっさに言わなくてはならない 可能性のあるもの」に限っている。例えば、「助けてくれ! 敵に囲まれた!」な ど、敵に囲まれてから必死にキーボードを打っていては手遅れになってしまうも のである。冒険をしていて、常に、「何か言いたかったけれどキーボードを叩い ているうちにタイミングを逃して結局言えなかった」ことをメモしておくとよい。 それを次回からはショートカットに登録するのだ。

また、会話を自然なものにするには、同じショートカットは1回の冒険に対して 原則1回に限ったほうがよい。同じことを言っている複数のショートカットを用 意するのも手だ。(「助けてくれ! 敵に囲まれた!」「うわっ、油断していたら敵 が!」「大ピンチだ! 助けてくれ!」など) 私は冒険の途中でも暇をみつけてショー トカットを変更している。

決めゼリフ

ショートカットを登録しだして多くの人が真っ先にすること、それはおそらく 「決めゼリフを登録する」ことだと思う。確かに、マンガやアニメでは決めゼリ フはかっこ良くて印象に残る。しかし、あえて言う。決めゼリフをショートカッ トに登録するのはやめた方がいい。

第一に、決めゼリフ、それはあくまで「決め」のためのセリフであって、頻繁に 言うもの ではない。特定の決めゼリフを持ったキャラ、例えばルパン三世の石川五右衛門 などを注意深く見てみよう。「またつまらぬものを斬ってしまった」という例の 決めゼリフはあなたが思っているほど頻発してはいない。一回の放映に1回ある かないかという所だろう。かっこいいセリフほど印象に残っていて、しょっちゅ う言っている印象を受けるが、プロはそんなことはしない。

呪文詠唱の長ったらしいセリフも同様である。ファンタジー系のアニメでよくあ る、「天と大地と風の精霊よ、古の契約に基づき我に力を与え給え」とかなんと かいうやつである。こういうのは、30分アニメ番組の盛り上がり部に一回だけ入 るから耐えられるのであって、しかもバンクによる時間かせぎという製作者の都 合も入っている、必要悪とでもいうべきものである。たまに番組の終わりの方に なってくると主人公全員のバンク台詞だけで番組の半分以上を費してしまうこと もあり、これにはただただ苦笑するしかない。こうした悪い見本を見習う必要は ない。

こうしたセリフを戦闘中に頻繁に発する人には、「こういうプレイこそロールプ レイである」と思っている人が多いのではなかろうか。ここできっぱりと言う。 こういったセリフは不必要だ。 多くの場合、人を感動させるのは、こうした形式的な決めゼリフではなく、キャ ラの心のこもった自分なり(この「自分」というのはキャラのこと)の言葉である。 いくつもの気の効かない言葉より、一つの気の効いた言葉の方がずっと重みがあ るのだ。こんな形式的なセリフより、「大丈夫か? 怪我はないか?」とかけ寄っ てくる方がずっとかっこいいだろ?

もちろん、長くてかっこいい決めゼリフをあれこれ考えるのは楽しい。それは分 かる。それに引 き換え、その場にあったセリフを考えるのはずっと難しい。しかし、自己満足に 過ぎない一人よがりのプレイを重ねるより、素晴らしいプレイを目指して努力し ようじゃないか。

会話だけでもいけない

「PSOは会話主体」という考えが広まって、CRPG風のプレイスタイルではなく会 話が増えてくるというのはいい傾向である。しかし、会話優先になるあまり、 「どんな場合でも会話する」というのがよいプレイであると誤解をしてはいけな い。

「敵に殴られながらもキーボードを打っていた」というのが半分武勇伝的に語ら れることがあるが、これは本質を外している。現実問題として、恐しいモンスター を目の前にして、剣を構えながらぺちゃくちゃ会話できるだろうか? 何度も言う が、キャラの身になって考えよ。

あるいは、「俺は戦闘中も常に人を笑わすのに命を張っている」というようなキャ ラもいる。このようなキャラの居るべき場所はロビーであって、戦闘場面ではな い。無理に戦闘に出ようとはしないで、ロビーで会話していればいいのだ。

チームを組んで戦闘場所に潜った以上、あなたの使命は「フィールドを探検し、 仲間と一緒にラグオルに何が起こったのかを探索する」ことである(まれに設定 をつけることもあるが)。この大原則を忘れてはいけない。

まず、「話さなくてはならない」という義務感を捨てることだ。話すとい うのはあなたの権利であって、義務ではない。 RPGにおいて「話す」というのは、シューティングゲームで「弾を撃つ」のに似 ている。弾を撃たないと敵を倒せないが、かといってめくらめっぽう 弾を撃っていても倒せない。少ない弾数でも的確な場所に的確に弾を撃て ばいいのだ。そして、ただがむしゃらに弾をたくさん撃つより、的確に弾を撃っ て敵を倒すほうが見ていてかっこいい。

ロールプレイしていない人との会話について

実は、PSOでロールプレイするときに困ることの一つに、「他の人がロールプレ イだと見てくれているかどうかわからない」ということがある。おそらくソニッ クチームもロールプレイとは何かが分かっていないらしく、ワードセレクトに 「どこに住んでるの?」という、実に困った質問がある。 「どこに住んでるの?」って、そりゃパイオニア2に決まってるだろうが!

私も、以前は「どこに住んでるの?」「パイオニア2 カリスト船尾第B居住区です」 とか「何歳?」「私は製造されて2ヶ月です(レイキャシールの場合)」と か答えていたが、下手に答えると、「何歳?」「18よ」「じゃあ高校生3年生? セ ンター試験受けたの?」などと言われて困ることがある。

最近は原則に反して自分の(プレイヤーの)ことを答えるようにして いるが、どうにかならないものだろうか。かぎかっこや文体などでここはキャラ のしゃべっている部分ではないことを示す手もあるが、相手がそもそもロールプ レイが何なのかすら知らないのではなんともならない。おそらく自己満足に終わっ てしまう。

最近の私のこの問題に対する対処法は、「キャラの文体でプレイヤーのことを しゃべる」という、原則には反する行為である。まあ実用上の問題だか らしょうがないと割り切っている。

実はこの問題は私にとって未解決だし、解決しそうにない。ただ、同士を見分け ることはできると思う。最初に「言っとくけど、私はロールプレイやるからね」 と言うのは有効な手段である。もし万が一相 手がロールプレイとは何かを知っていた場合には非常に有効だし、知らない場合 には、「いや、知らなきゃいいのよ。話すと長くなるから」といって済ますこと ができる。実際はロールプレイをやっている人ははなから話し方が全然違 うから言われなくてもすぐ分かるんだけどね。

もちろん、ホームページやBBSで募って、意見の合う同士のみでプレイする方が 楽しい。しかし、そんな閉じた世界でやっていると、ロールプレイ組は衰退す るだけであろう。やはり、広く一般の人とプレイして、「ああ、なんかかっこい いプレイをする人がいるなぁ」と思ってもらうことが大事だと思っている。 [1]


  1. こういうことを言っていた筆者自身が、最近閉じた世界でしかやっていない。反省。 ↩︎