ネット世代の心の闇を探る

現代社会の様々な特性が、若者の心をむしばんでいる。

自己中心性

「自己中心的」という言葉は、よく「わがまま」という意味で使われる。そし て、それは「利己的」という言葉、あるいは英語の「エゴイズム」と同じよう な意味だととらえられてしまいがちである。しかし、これは間違いである。

わがまま、あるいはエゴイズムというのは、自分の利益や都合だけを重んじ、 他人のそれを考えないということだ。それに対して、自己中心的というのは、 「自分」と「他人」を区別して考えられないということだ。

簡単に言えば、「これをやると得するのは俺だけで、相手は損をするけど、そ んなこと関係ないね。俺だけ得をすればいいんだ」というのがエゴイズムで、 「これをやると俺が得をする」としか考えられないのが自己中心的な考え方な のである。

関連

この現象は、社会的な問題と密接な関係がある。

現実の虚構化
現実の持つ客観性そのものが揺らぎ、主観が客観に優越するようになってしまっているため、客観性を持てなくなってしまう。

規格化と画一化
他人との接点が規格化されてしまい、生の他人に接する機会がなくなってしまう。

大量消費社会
意識の流れを一方通行にして、受動的に受け取るだけになってしまうと、