パズル、戦術、そして戦略

面白いゲームに含まれるもの、よく「ゲーム性」と言われるものの正体を探ります。

はじめに

世の中には面白いゲームとつまらないゲームがある。そして「ゲーム」と称しながらゲームになっていないものもある。これはなぜかというと作り手が「ゲームとは何か」というのをよくわかっていないからだ。そして良いゲームに出会うと「ゲーム性がある」と言う。これが面白いゲームだということはわかるがなぜ面白いのかがよくわからない。そのために「ゲーム性」という得体の知れない用語を使うのだ。

ここではゲームの面白さとして3つの要素について考えよう。「パズル性」「戦術性」そして「戦略性」だ。もちろんゲームの面白さはこれだけではなく、他に様々な要素がからんでくる。コンポーネントの出来(グラフィック)の要素とかアクションの要素とか。しかし「なぜこのゲームはこんなにも面白いのだろう?」という時に、口で言い表せないような要素がこの3要素だ。そしてよく誤用される言葉でもある。

ここではこの3つの要素それぞれについて意味をきちんと考えてみたい。それによって「ゲームとは何か」というのも見えてくるはずだ。

議論の対象について

ここでは主にボードゲームについて話をするが、非リアルタイム系のコンピュータゲームでも同じである。しかし残念ながら概してコンピュータゲームの方が「ゲーム性」のレベルは低い。ゲーム性のないボードゲームは全くのクズだがコンピュータゲームならそこそこ楽しめるからだろう。

ここではボードゲームについて例を述べるが、可能ならコンピュータゲームについての補足を行う。今ではコンピュータゲームの方がメジャーで、ボードゲームの例ではわかってもらえないだろうからだ。そして、ボードゲームの例でわかってくれる人はおそらくここで言っている事は既に当たり前の事だからだ。