名古屋ではときどき、クリエイターズマーケットというものが開かれます。「つくるひと」の祭典とのことですが、ポートメッセなごや全館というかなり広い会場で、アートとか雑貨系のいろんな人がうじゃうじゃっと小さいブースを出しています。
私はいつも行っているわけではありませんが、暇で暇でしょうがなくなるとたまに行きます。たまに行くと、この世界の流行の変化というものを感じます。以前どこにでもあった相田みつを風の書とか、あみぐるみとか、スイーツデコとかが、いつの間にか下火になっているのを見ると、こういうとこの人たちも流行に流されてるんだなぁと思います。フェルトぬいぐるみもちょっと終わりかけで、今の流行りはレジンアクセサリーあたりなんでしょうかね。スチームパンクもあったけど、素人が作るのはなかなか難しいので、あまり流行ってる感じはしなかったかな。陶器も多かったけど、これは愛知という土地柄でしょうか。
もちろん、流行ってるかどうかなんてどうでもいいことです。もともとどうでもいいはずの流行が存在するというのが面白いなぁと思ったまでです。
クリエイターズマーケットでは、アート系のブースもありました。本当に絵をそのまま売っているところから、バッジやグッズに仕立てているところまで様々です。その中に、アニメイラスト系の絵もかなりありました。もちろん、版権ものの二次創作とかではなく、オリジナルです。ゴスロリファッションの人や、きゃりーぱみゅぱみゅ系の服装の人が、お客の中にも出店者の中にも結構混じっています。
彼女らは、その服装のまま普通に電車に乗って帰っていました。まあ、栄や大須でもそういう人はたまに見かけますし、別に悪いことではないと私は思うのですが、コスプレとは違うんだなぁと思いました。
コスプレの場合は、(世間に出るには)あまりにもひどい服装をするという事情もあるのでしょうが、全部が全部そんな人ばかりでもありません。それは口実で、実際のところは現実の場とコスプレの場をかっちり分けたいという意識もはたらいているように思うのです。そしてそれが残念にも思うのです。面白いことを現実の場ではできず、隔離された別の場でしかできないんだったら、そりゃ現実は面白くなくなるよなぁ、と。
クリエイターズマーケットのアニメイラストと、コミックマーケットのアニメイラストとでは何が違うんでしょうかね。前者はオリジナルで、後者は二次創作(が主)という違いでしょうか。私は常々、著作権問題をあれこれ言われる二次創作なんかにこだわらなくても、自分のオリジナル作品をやれば誰にも文句を言われず堂々とやれるのに、と思っていましたが、作品を作ることが目的なのではないのでしょう。とすると、前者は創作者であり、後者は消費者ということになります。創作者だから他人や広い世界に向けて能動的に活動し、消費者だから自分の世界に閉じこもる、ということなのでしょう。
ところで、催し自体はいいと思うのですが、催し物って肥大化し続けてそのうち見る方も大変になる、というのは何とかならないものでしょうかね。中規模の催しがあちこちで行われる、とぃうのが皆がハッピーな状態だと思うのですが、なかなかそうはいかないようです。