文書をフリーにしよう

「フリーウェア」という言葉はソフトだけのものではありません。

リンクについて

「トップページ以外の無断リンク禁止」というページをよく見かけます。これは上の話とは矛盾します。上の話では「元文書へのリンクをつけるようにして下さい」と言っているのですから。

法律的には「トップページ以外への無断リンク禁止」というのは意味を成しません。URLは本でいえばタイトルであり、そしてタイトルには著作権はないので、あなたのページのどのURLも誰でも自由に自分の文書に示すことができます。だいたい、あなたは「指輪物語は面白かったよ」という時に、いちいち原作者に了承を取りますか?取らないでしょう?

では、なぜトップページ以外の場所に無断でリンクされると嫌なのでしょう?よーく考えてみて下さい。

「URLなんてよく変わるものだから」という理由はもっともです。しかし、それなら「トップページ以外のURLは変わるから、知らないうちにリンクが切れていても知らないよ」というだけで、禁止する必要まではないはずです。あなたのページのURLが変わっていないかをチェックしなければならないのはあなたではなく利用者の方です。別に無断リンクを禁止しなかった所であなたの手間や労力が増えるわけではありません。

「自分の文書を他人に勝手に利用されてはたまらん」という意見もあるかもしれません。しかし、そこにはちゃんと自分の名前が書いてあるわけですから[1]、いいんじゃありませんか?どうせ見てもらうのが目的なだけでしょう?

「どんなサイトにリンクされているのかを知りたいから」というのなら、「禁止」にしないで「リンクは勝手にしても結構ですが、連絡をくれるとうれしいです」くらいにしておいてはどうでしょう?きつい感じもなくなりますし、きっと反発もなく喜んで連絡をくれるでしょう。[2]

トップページ以外の無断リンク禁止だと、利用者にとってはとても面倒なことになります。特にそのウェブサイトが整理されていない場合にはなおさらです。「ここの解き方は○○さんのページの『ゲームの部屋』の『ドリームキャストの部屋』の『攻略法』の『セブンスゲート』が詳しいです」なんて書かなければなりませんし、それを見る方もわざわざこんなのをたどって見ようなんて思いません。結果としてあなたのページを見てもらえるチャンスを減らすことになるのです。

「どこか特定の文書だけにアクセスされるのは嫌だ。トップへのリンクだけだとサイト全部を見てもらえるのではないか」と思う人もいるかもしれません。そういう人には、すべての文書の一番上にサイトのトップへのリンクを張っておくことをお勧めします。あなたのサイトを全部見てくれるほどの暇人ならそのリンクをたどってサイトを全部見てくれますし、そういう暇のない人でも少なくとも特定の文書だけは見てもらえます。暇のない人は、特定の情報が欲しくてリンクをたどった結果がトップページだったりしたら、その時点で「戻る」ボタンを押して見るのをやめてしまうでしょう。

そもそも、「無断リンク禁止だ!」なんて吠えるのなら、GoogleやInfoseekなどの検索エンジン全部に文句を言って回って下さい。彼らは勝手にあなたのページの一部への直リンクを表示していますよ。


  1. 書いてなければ堂々と文句を言いましょう。 ↩︎

  2. 実際、「無断リンク禁止なんて言うページにはリンクしてやらん」と言う人は少なからずいます。そして、Webの黎明期から有名なサイトを管理しているベテランに多くいます。アクセスを増やすには逆効果でしかありません。 ↩︎