再利用の罠

再利用再利用と声高に叫んだプロジェクトほど失敗します。再利用しようとしてはいけません。手段が目的になってしまわないようにしましょう。

ソフトウェア開発では「再利用」というのがスローガンになることがよくあり ます。「常に再利用を考えよう」「再利用可能な設計をしよう」と。ソフトウェ ア開発関連の本の多くは「再利用のための」とか「再利用できる」といった言 葉が帯や表紙に並んでいます。しかしここできっぱりと言っておきます。「再 利用」は「罠」です。再利用をしようとしてはいけません。再利用再利用と声 高に叫んだプロジェクトほど失敗します。

問題なことに、世間では「オブジェクト指向」と「再利用」が切っても切れな い関係として認識されています。オブジェクト指向技術は再利用のためにあり、 再利用を推し進めるにはオブジェクト指向技術を取り入れるのがいい、と。そ して再利用を重視するマネージャはプロジェクトにオブジェクト指向を取り入 れ、そして派手に失敗します。その結果「オブジェクト指向はもうこりごり」 になってしまうのです。

問題はオブジェクト指向ではありません。「再利用」なのです。

目次

  1. 再利用しようとしてはいけない
  2. 正しい設計の罠
  3. 再利用できるもの
  4. まとめ:抽象化と再利用