デスマーチ

泥沼というのは、自分がはまり込んでみるとかえってよくわからないものです。

「デスマーチ」訳して「死の行進」。字面だけでも恐しい感じを受けます。プ ロジェクトが破綻へ向かってどんどん進んでいく様子をこう呼びます。この言 葉の恐しいところは、これが単なる比喩ではないことです。デスマーチがまさ に進行中のプロジェクトでは、過労死や自殺などで本当に死人が出ます。そこ まで至らなくても、うつ病になったり体を壊したりして、あるいは自発的にど んどん開発者が辞めていきます。まさに悲劇です。

しかし、またまた恐しいことに、デスマーチは決して珍しくはありません。開 発者ならば誰でも経験したことがあろうというほどよくある事です。この事が 問題をいっそう難しいものにしています。 ここでは、デスマーチの問題点とそこから抜け出るためにどうすればいいのか を考えてみましょう。

なお、初めに注記しておきます。ここで述べることがらは、最先端のプロジェ クトや高度なプロジェクトにはあまり当てはまりません。○○会社の経理シス テムとか○○倉庫の管理システムといったように、技術的な障壁のなさそうな プロジェクトに当てはまります。

目次

  1. 予定
  2. 仕様書と設計書
  3. 柔軟性
  4. 全体のまとめ
  5. デスマーチ
  6. ソフト開発の特殊性