終わらざりし物語

これが翻訳されて出版される時が来ようとは思ってもみませんでした。なぜかというとタイトルの通り「終わっていない」からです。未完成なのです。普通に考えれば商業ベースにはとても乗せられないこんな本が出版されるとは、まさに映画さまさまです。

中つ国ファンにとってみれば、書きかけの原稿であろうがどうでもいいのです。中つ国のことが書いてあればとにかく星5つをつける、そんな変人のための本です。くれぐれも普通の人はお買い求めになりませぬよう。念のため申し上げておきますが、シルマリルの物語を読んでいない人がこれを読んでも何のことかさっぱりわからないでしょうから、そのつもりで。

内容は、第一紀から第三紀までの様々なお話と、イスタリやパランティアなどについての若干の解説です。シルマリルの物語(やアカルラベース)ではあまり語られていない中つ国の様子がいろいろ書いてあるのが良いです。中世戦争物ファンにはかなり読みごたえがあります。

ところで、訳者の名前がどうも出来すぎだと思ったら、そういうわけだったんですね。