ことばを失った若者たち

評価
4
ジャンル
社会
著者
桜井 哲夫
出版社
講談社新書

いわゆる「おたく」論ではあるのですが、よくよく見てみたら、1985年に書かれた本でした。しかし、今の問題を語っているのかと勘違いするくらい、現代にも通用する話です。

1960年代から1980年代にかけての時代背景をまったく知らない世代にはなじめないかもしれません。しかし、このくらい昔から同じようなことが言われていたんだなぁと思うには良い本です。

こんな世の中になる前の世の中を知らない世代の人には、比較ができないせいで、何を言われているのかわからないんだろうなぁ。例えば、「音楽が一人で聞くものになってしまった」なんて言われても、逆に、音楽が一人で聞くものではなかった時代を想像できないんじゃなかろうか、と思うのです。