ビデオ撮影は楽し

今日も月並な坑道の調査。だけど、「ハンターズの仕事紹介ビデオを撮る」というおまけつき。おまけの方に心を動かされる一行でありました。(会話ログにあった話の書き直しです)

はじまりまでのいきさつ

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ハンターズギルドには3人のハンターがいた。黙って外を見ているレイナ、落着かなげにうろうろ歩き回っているソフィア、そしてカウンターから身を乗り出して受付嬢と何やら話をしているバルムンクである。

いつもの風景のギルドに入ってきたのは、緑の制服で身を包んだアスタシアである。手にはカメラをぶら下げている。
アス: こんにちはー。今日のお仕事に付き合って下さる方は‥あ、ここのかたですね
全員がいっせいに振り向いた。バルは受付嬢に手を振ると、カウンターを離れた。
バル: じゃあ、またです。綺麗なお嬢さん(ウィンク)

レイナ: 仕事は何かしら?
アス: ええと、今日は普通の調査任務なんですけど、実はちょっとしたお願いがあるんです
バル: あなたのような綺麗な方のお依頼ならば何でも引き受けさせていただきます(うやうやしく)
アス: ハンターズ養成学校の方から頼まれまして、ハンターズの仕事の紹介用ビデオを作るために仕事をビデオに収めたいんです
全員が苦笑いをした。珍しい仕事である。
ソフィア: ははは‥(^^;;
アス: ええ、ここにカメラがあるのでこれでハンターズの生のお仕事を撮ってこい、って…
ソフィア: うーん、しょうがないなぁー。私は構わないわ
レイナはソフィアとバルの顔を見ると、少しアスタシアから視線をそらせて言った。
レイナ: ビデオ‥‥?ちょっとそれは…遠慮したいわね…
アス: ええっ、だめ?‥‥困ったなぁ‥。ね、別にいつも通りでいいのよ。いいでしょ?一応、「新入生に希望を持たせるような内容」とは言われているんだけど‥
ソフィア: そうね、カメラを意識しているヒマもないだろうからね。
アス: もちろん、マズいところは後で編集するから、あまり心配しなくて結構ですよ
レイナはしばらく下を向いて何やら考え事をしていた。足で床をトントン叩いている。
レイナ: 断わると…報酬は出ないのかしら?
ソフィア: 出ないでしょうね、報酬は
アス: うーん、これは総督直々のお願いですから…
レイナ: ‥‥なら、私のことはなるべく映さないてもらえるかしら?
アス: そうだ! じゃ、レイナさんがカメラを持ってくれれば、それでいい?
レイナ: はあ?! じゃ私がカメラまわすの?
レイナは突然顔を上げて、アスタシアの顔をまじまじと見つめた。
ソフィア: そっかー、カメラマンは写らないものねー
レイナ: それも…面倒ね‥‥‥まあ、いいわ。それじゃ私が映しましょう…
ソフィア: じゃ、話も終わったし、出発ね(^^
バル: では、貴女の美しき勇姿は私の瞼でばっちり映しますよ
ウィンクするバルとそれを見てあきれるソフィアを後目に、レイナはさっさとギルドを出ていった。

アス: さて、それじゃ行きましょ! あ、あれ?
バル: あれ?いないし…(頭ぼりぼり)
ソフィア: もう行っちゃった?
あわてて他の3人も準備をする。そのころレイナは坑道の入口で一人で立っていた。
レイナ: ‥‥遅いわね‥

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アス: あ、いたいた
バル: 女性の一人歩きは危険ですよ‥‥‥
バルムンクはなにやら不自然なポーズをしていた。横から見るとなんとなく滑稽である。
レイナ: カメラは?
アス: はい、これ。使い方わかります?
レイナ: ん? ええと、大体‥
アス: メモリーキューブの容量はたっぷりあるから心配しないでバンバン写してくださいね
レイナ: …了解
レイナはカメラを受け取り、しばらくファインダーを通して辺りをのぞいてから、スイッチを入れた。一行は武器を構えて坑道の中に入っていき……

そして、話はその1ヶ月後へと飛ぶ。