勇気の証明

学校の友達にラグオル地表での冒険話を聞かされたガート君は、自分でも行ってみたくてたまらなくなり、とうとう近所の仲間と一緒に森へドラゴン退治に出かけました。

エネルギー問題

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森の空き地は奇妙な虫の棲み家だった。毒々しい色をした大きな巣の中から、巨大な昆虫が姿を現した。
レオン: すごいのが……
K: う、蚊や……虫嫌いや……
ガート: こんな虫けらなど!
ガートランドが銃で撃ち落とそうとするが、空中を飛び回るためになかなか狙いがつかない。その間にレオンが蚊の攻撃を受けた。
レオン: かゆい……

巨大昆虫をやっと撃退したと思ったら、すぐさまブーマが現れた。こちらはいつもの通り集中砲火で撃退した。森はいつものように靜かになった。
ガート: よっしゃ! 僕たちにかかればブーマだってこんなもんさ
エクセル: はあ……さすが皆さん。安心して採取に専念できます。
虫の巣の中から何やら液体を採取していたエクセルは言った。それに驚いたような顔をしてレオンが答えた。
レオン: え?協力してよー、エクセル
エクセル: ええ〜 わたし、戦闘は苦手で……
レオン: スポーツもしなくちゃ体に悪いよ! 学者も体を強くしなくちゃだめだよ〜
ガート: そんなんでどうする!?何のために来たんだよ?
エクセル: ドラゴンのフンを採取するのです
K: フンて……
ガート: そうか、エクセルはその為だけに来たんだったな
エクセル: はぁ……すみません
ガートランドは腕組みをして何かを考えていた。レオンも同じように考え込んでいた。
レオン: そういえば、なんの為だっけ?
ガート: 僕たちの強さを証明するためじゃないか! レオンまでなに言ってるんだよ
ガートランドは腰を手に当て、強い口調で言った。
レオン: そうだったんだー。みんなが行くっていうから……
ガート: まったく……でも戦ってるだけまだいい
エクセル: 強さ……わたしは強くないですしねぇ……
ガート: 何かないのか?テクニックとか?
エクセル: ええと……一応、習いましたけども……
とエクセルは言うと、何もない森の奥に向かってフォイエを放った。
K: おー炎か〜
ガート: 使えるじゃないか
レオン: すごいねー
エクセルは照れてぽりぽりと頭を掻きながら言った。
エクセル: ……そ、そうですか
K: それならわてもできるで
プロト-Kはそう言うと、バズーカを取り出して同じ方向に2,3発放った。
レオン: Kちゃんもすごいー
K: はっはっは〜
ガート: それじゃないって

エクセルはそんなやりとりをぼうっと見ていたが、ぼそっと言った。
エクセル: はぁ……でも、やっつけるのは皆さんの方が得意ではないでしょうか……
レオン: エクセルにしかできないこともあるよー
ガート: 得意とかどうとかの問題じゃない。エクセル、君が自分の強さを証明するんだ
エクセル: えー、別に証明しなくても……
エクセルの声はだんだん小さくなって、最後の方は聞きとれなかった。
ガート: 強い男には女の子がたくさん寄ってくるんだよ
エクセル: はぁ……
レオンは水筒からの熱いお茶をすすりながら、ガートランドとエクセルのやりとりを少し離れて眺めていたが、ふと横を見ると、プロト-Kが動いていないのに気がついた。
レオン: Kちゃん寝ちゃだめだよー
エクセル: スリープモードは斜め45度で叩けば起きますよ
その言葉を聞いて、レオンとガートランドは動かないプロト-Kに近寄った。
レオン: どれどれ
ガート: このへんか?
エクセル: ……たぶん
ガートランドの手刀がプロト-Kの首のつけ根に命中すると、瞬間的にプロト
K: あたた……な、何すんねん!
ガート: 起きたか?
レオン: 起きた起きた
エクセル: ほらね
3人が笑っていると、プロト-Kはバズーカを構えて銃口をガートランドの方に向けた。
K: がるるるるる……燃やすど!!
レオン: Kちゃん怒らないで〜
ガート: 仲間割れはよすんだ
レオン: そうだよ〜、みんなでがんばろうよ〜
レオンはそう言うと、またお茶を一杯すすった。
ガート: そうだ、みんなで力を合わせるんだ


K: うう……最近エネルギー不足や……
プロト-Kは弱々しい声で言った。動作が次第に緩慢になっている。そしてとうとうまた動かなくなった。
レオン: Kちゃん! 起きて!
レオンが首筋に斜め45度に手刀を叩き込むと、プロト-Kはまた動作を開始した。
K: あいたっ! あーう
ガート: こんな中で寝られるとは、ある意味すごいな
レオン: Kちゃんが眠そうだから先へ行こうよ〜
エクセル: やはり45度は効き目あり……
エクセルはポケットからメモ帳を引っぱり出して何やら書きつけた。
ガート: 大丈夫かなあ、このまま連れてって。まだなんかぼーっとしてるなあ
レオン: みんな一緒ならへーきだよー
K: さすがにモノメイトだけじゃ、つらいで……せめてディメイト……
プロト-Kの言葉はとても小さく、よほど注意しないと聞きとれないほどであった。そして、そこにいた他の3人は、そんなに注意深くはなかった。

エクセル: 置いていっても、エネミーに食べられる事はアンドロイドですのでないと思われますが……
レオン: Kちゃん固そうだもん、そうだよねー
ガート: 置いていくわけにはいかない
レオン: みんな一緒じゃなきゃねー
厳しい顔をするガートランドに、エクセルが尋ねた。
エクセル: じゃあ、ガートさんが抱えて持って行くのですか?
ガート: ちょ、ちょっと待てよ、そんなことまで僕がするのかい?
ガートランドの身体が心持ち後に引いた。厳しい顔が困惑した顔に変わった。
エクセル: じゃ、置いていきましょう
ニヤリと笑うエクセルを横目に、ガートランドは首をかしげながらプロト-Kのまわりを一周すると、足を思い切り蹴とばした。
ガート: こら、行くぞ、起きろ!
K: あう
エクセル: あ、動きましたね
K: あぶないあぶない、まーた寝るとこやった
ガート: ようし
ガートランドは満足そうにうなずいた。そしてレオンを先頭に空き地を後にした。
レオン: こっちかな
エクセル: さぁ、ドラゴンです