何でも屋5: 謎の研究

通路の先は、また柵のめぐらされた部屋だった。アスタシアとゼロが呆然と立っていると、その柵の下の部分をストライクとなつめが何もなかったかのように駆け抜けていった。

ゼロがほっとしたのも束の間、アスタシアは別の扉から出て行ってしまった。ゼロもあわてて後を追った。

隣の部屋でもロボットが暴れていた。ゼロとアスタシアは二人でとにかくやっつける。すると、ストライクと、少し遅れてなつめが戻ってきた。

あたりのロボットを片付けてから、4人は再び集合して一息ついた。

ゼロは笑って、なつめも微笑んだ。

四人が入った部屋は、照明のない真っ暗な部屋だった。それでも、ロボット達は構わず攻撃してきた。

そして、その部屋を抜けると大広間だった。そこでも機械類に大挙して出迎えられた。空を飛ぶもの、人型のもの、天井にぶら下がっているもの……

しかし、敵の数は有限だった。しばらくして、あたりに動くものは四人だけになった。

アスタシアがこう言うまでもなく、三人は既に向こう側の扉の前にいた。

目の前に、大きな機械装置があった。何をするものなのかアスタシアには皆目見当がつかなかった。どう見ても転送装置ではない。

ストライクがその装置に入ると、瞬間的に付近の空間が歪んだように見え、彼の身体が元の大きさに戻った。

なつめも後に続いた。

ゼロは二人が元に戻るのを見て、こっそりと部屋を出ていった。

三人は、ゼロがこっそりと部屋を出ていくのを見つけた。そして、後を追った。

見ると、ゼロは部屋の隅の端末の下に隠れていた。

出てきたゼロの肩にストライクがぽんと手を置いた。

ゼロは今度は頭をかかえて部屋の中をあてどもなく走り回った。

ゼロは苦笑いを始めた。

四人は狭い通路を延々と駆け足で進んだ。長い廊下を抜けてたどり着いたのは、さっきと同じ機械が二つある小部屋だった。

今度はゼロがその機械に入ってみた。と、突然、ゼロの身体が見えなくなった。よく目を凝らして見ると、床に小さな人型のものが見える。近付いてみると、背丈こそ小さいが、確かにゼロだった。

なつめも喜々としてその機械に駆け込んだ。

なつめは小さくなった身体のまま部屋の中をうろうろしていた。そして、もう一つの機械の上に乗った瞬間、身体の大きさが元通りになった。ゼロも慌ててもう一つの機械に乗った。

アスタシアは機械の上に乗った。ストライクも後に続いた。

なつめは、小さくなったストライクとアスタシアに向かって言った。

大きいなつめとゼロの後に二人がちょこちょことついていった。

アスタシアが荒い息をしている。

通路をいくつか抜けた先には、また例のセキュリティ装置があった。今度はストライクもアスタシアも手が届かない。

なつめは、今度こそ機械を親の仇と叩きのめした。扉がすっと開いた。

扉の向こうはまた柵で区切られていた。今度はなつめとゼロは通れない。

アスタシアは勝ち誇ったように柵をくぐり抜けたが、その先に敵ロボットが出現した。小さい身体では思うように戦えない。

ストライクが部屋の向こうのスイッチを切ったおかげで、柵が消えた。なつめとゼロも戦闘に参加し、しばらくしてすべてのロボットをやっつけた。

なつめの声のする方向に行ってみると、また例の装置が一つ備えつけられていた。

なつめがその装置に乗った瞬間、彼女の身体は小さくなってしまった。

ふと、ストライクとなつめの目が合った。二人はうなずくと、ゼロの足を持って装置に引っぱっていった。

そして、ゼロも同じく小さな身体になってしまった。