何でも屋5: 謎の研究

3人が待っていると、なつめが何か動くものを見つけた。

なつめは入ってきた小人(本当に小人だったのだ)を指さした。

なつめはしゃがんで目線を小人に合わせると、声の調子を変えて話しかけた。

そして、返事を待つこともなく、立ち上がって駆け出した。

なつめはそう言うなりストライクと同じように前の扉に消えていった。

その時、下の方からかすかな声がした。

ゼロが慌ててどかどかと駆け込んできた。ゼロはあやうくストライクを踏みそうになる。

ゼロはようやく下を見た。そして、小人になったストライクを見つけた。

その時、ゼロが笑いはじめた。

そしてその笑いは大声に変わった。

ストライクはメギドをかけようとするが、何も起こらない。

ゼロは胸を張ってそう言うと、足先でちょんとストライクを蹴る。ストライクはその足めがけて剣を突き立てた。でも、その短い剣は靴の中まで通らなかった。

アスタシアはうなずいて先に行きかけたが、振り返って気がついた。

と、その時、扉が開いて小人がもう一人入ってきた。

ゼロは声がした方に慌てて向き直った。

そして、動かした足がなつめに当たった。なつめはものすごい勢いでひっくり返った。

ゼロはやっと下を見た。

なつめが呼ぶと、アスタシアはなつめの前でしゃがみ込んだ。

アスタシアはあきれ顔で行った。

ゼロはくすっと笑った。

アスタシアも歩き出した。

ストライクとなつめは、小さい身体のまま、岩の間の隙間を通り抜けて先へ行ってしまった。

アスタシアとゼロが困っていると、目の前の岩を壊してくれた。

しかし、小人たちはその次のセキュリティ装置の前で呆然と立ちすくんでいた。

アスタシアは外野に耳を貸さず、ストライクの言う通りに操作した。扉がさっと開いた。

ゼロはその姿を想像しながら思わず笑い出した。

しばらく通路を進むと、また同じセキュリティ装置に行きあたった。なつめは必死で手を伸ばすが、操作はおろかコンソールにさえ手が届かない。

アスタシアはさっきと同じように、IDカードを使って操作を始めた。

ゼロはさっと振り返ると、前に向かって歩き出した。