何でも屋5: 謎の研究

注意:今回はオンラインクエスト「明日の代価」に関するネタバレが含まれています。

二手に分かれて

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アスタシア: あらら、たくさん出口があるのね
なつめ: どっちに行けばいいのかなぁ?
いつもはゼロの作っている地図で行く先を決めるのだが、今日はストライクが少し違った提案をした。何せ、入口から入ったばかりでデータもなにもない。
ストライク: 二手にわかれるか
ゼロ: それいいかも
アスタシア: あぶなくない?
なつめ: んじゃ、つんつんと二人で……
なつめはゼロの脇にささっと移動した。
ストライク: 俺は一人でもいいが……
なつめ: 一人じゃ心細くない?
アスタシア: そんなこと言わないの。もしなんかあった時に大変でしょ
ストライク: わかった……
アスタシア: なつめさんとゼロさん、2人で大丈夫?
なつめはうなずいた。
なつめ: 泥船に乗った気でいて
ストライク: 沈むな
ゼロ: 大船でしょう
なつめ: はうわぁ、そうだったっけ…

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自然に2つのペアに分かれた所で、ストライクがなつめに尋ねた。
ストライク: どっちへ行く……?
なつめ: えっとね、こっち
なつめは歩き出した。しかしゼロはついていかなかった。
ゼロ: なつめさ〜ん、そっちじゃないですよ〜
ストライク: そっちは入口だ……
なつめ: そうだったっけ?
アスタシア: 意外と忘れっぽいのね
なつめ: そんなに忘れっぽいかなぁ?あたしって
ゼロ: もう、ぼけが始まったですか?としなのか?
なつめ: まだ二十歳だよ

なつめは別の入口の方に向かった。
なつめ: じゃ、こっちにするね
アスタシア: はい、お願いね。じゃわたしたちはこっちを
ストライク: 通信機なりで連絡しろ……
なつめ: はーい!!
アスタシア: それじゃ、レッツゴー
なつめ: おー!!
そして4人は2人ずつのペアに分かれて別々の扉をくぐった。


ゼロとなつめが入った部屋は、滝が流れている涼しげな所だった。
なつめ: いくよーん
ゼロ: みえない……
なつめ: なんかいるね。つんつん
敵はそこには見えなかった。地面のあちこちに水溜りがあるだけだった。しかし、地面から水が盛り上がってきたかと思うと、いきなりゼロに襲いかかった。
ゼロ: あう、逃げるですよ〜


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アスタシアとストライクは慎重に歩を進めた。通路を抜けて部屋に入った瞬間身構えたが、目の前にあったのは柵だけだった。
アスタシア: あれあれ?どうやって行くの?
ストライク: 早速行きどまりとはな……
アスタシア: だめじゃん。引き返すしかなさそうね
かくして、二手に分かれての探索はあっけなく終了した。回れ右をして元の部屋に入ろうとしたところで、二人はなつめの悲しげな叫び声を聞いた。


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なつめ: つんつんがぁ!! へるぷみー!!
二人が急いで部屋に入ると、シャーク達の集団の中でおろおろするなつめが見えた。ストライクとアスタシアは急いで周囲の敵を倒した。
アスタシア: どうしたの?何があったの?
見ると、ゼロが倒れていた。
なつめ: 屍になっちゃったよ
ストライクがリバーサーをかけた。ゼロの身体がぴくりと動いた。
なつめ: 化物が現れてさ、あれやあれやと……つんつんが餌食になっちゃったんだよ
ストライク: 気を抜くな……
ゼロは頭を押さえながら立ち上がると、頭をぶるぶる振った。
なつめ: ごめんね。助けられなくて
アスタシア: やっぱり2人だと危ないか…
ゼロ: えっと、何が起きたんですか?
ゼロはきょろきょろと3人を見回した。
ゼロ: えとえと
なつめ: 知らないんならいいや。夢を見ていたんだよ
ゼロ: でも、頭がずきずきする……いてて
なつめ: 気のせいだよ

なつめ: ってか、つんつん、マグは?
ゼロ: えっ?
ゼロは思わず後を向いた。
なつめ: 後ろにいるペットだよ
ゼロ: あああ〜〜〜!!! どこいったんだろ?まさか、私、マグに見捨てられたのかなぁ
アスタシア: 自分のマグがどこかに行っても気がつかないの?愛情が足りないのよ、きっと
なつめ: ってか自分のマグどんなのか覚えてる?
ゼロ: うっ
ゼロは目に涙をためたまま言葉をつまらせた。
ストライク: 見捨てたくもなる……
なつめ: まぁまぁ、ストライクさん
ゼロ: どうしよ〜
ゼロの涙はついに目からあふれ、頬をつたった。
ストライク: 泣くな……
なつめ: 男が泣いてもかっこ悪いだけだよ
アスタシア: まあ、いつものことだからあまり気にしませんけどね
なつめ: でもそこがつんつんなんだけどね
ストライク: そうだな……
ゼロ: きっと戻ってくるよね
ゼロは涙を拭いた。なつめはうなずいて出口に向き直った。
なつめ: じゃ、ストライクさん、つんつんを守りながら行きましょうよ
ストライク: ああ……
なつめ: それじゃ、れっつごー!!
ストライク: 嫌だがな…
ストライクの言葉は誰にも聞こえなかった。