何でも屋3: 二人のひかり

なつめはひかりと格好がそっくり。そんなこととはつゆ知らず、いつもののんきな店長とそのバイト君はなつめをひかりと勘違いしていつものように仕事にひきずり込んでしまいます。偶然が引き起こした珍騒動です。

ひかりの喜怒哀楽

ラグオルのそこかしこに存在する謎の柱。それは、ここ洞窟にも存在しました。
アスタシア: あ、まただ……
ひかり: あ……こわいよぉ……
ゼロ: あれは!!森にあったのと同じだ。こんなところにも
ひかり: いやだあ
ひかりは向こうの扉の奥に隠れました。
なつめ: 柱が恐いの?
ひかり: うん……あれ……恐いの
アスタシア: こっちのひかりちゃんはなんともない?
なつめ: いやあ、壊したらどうなるかなぁって思ってたの

ひかりとは正反対に、ゼロは興味深そうにメモを見ながら周りを回っていました。
ゼロ: あれ?模様が違ってるぞ!! めもめも
アスタシア: え?普通に見えるけどなあ
ゼロ: ふむふむ、すごいなぁ
ひかり: なんか嫌な感じがするよね〜、もういこ〜よお
ゼロ: もうすこし見ていたいけど……
ひかり: それ、ひかり、きらいだよお
アスタシア: ゼロさん、あれはまたあとで
なつめ: 柱なんかいつでも見れるんだから
ゼロは名残り惜しそうな顔をしながらも、その場を離れました。
ゼロ: しかたないな
ひかり: がんばっていこー


パルシャークを相手にゼロはフォイエで応戦していました。火の玉がゼロの手元から敵めがけて飛んでいきます。
ひかり: すごい火力だあ
なつめ: 家が燃やせるね
ゼロ: えへへ
ひかり: ゼロさんはりきってる
ゼロ: すごいでしょう
なつめ: 風呂炊きに使えるね。うんうん
ひかり: ひかりはテクニック苦手だからうらやましいよ。いいなあ
いつもとは一味違う活躍ぶりをアスタシアは不思議に思いました。
アスタシア: なにかきっかけでもあったのかな?


ひかり: どっちに行ったらいいのかなあ
ふと見ると、出口が2つありました。
なつめ: その避雷針でなんとかしてよ
ひかり: マッピングの才能を発揮してね
ゼロ: まかせてよ。こっちかな
ゼロが進む方にみんなついていきました。しかし、そこはがらんとした部屋でした。
アスタシア: おや?敵がいない
ゼロ: ちょっと待って。えとえと……
ゼロは手書きの地図を必死になって調べていました。
ゼロ: こっちだ
ゼロが駆け出すと、他の3人も一緒に駆け出しました。


ひかり: うわあ、きれいな滝だねえ
なつめ: すごいねえ
洞窟のこのあたりは水でいっぱいでした。ところどころ天井に穴が開いていて、そこから光が差し込んできます。所によっては、水が滝のように流れ落ちてきています。
ひかり: 水もきれいだなあ
ひかりは水辺に入ると、手で水面をぱしゃぱしゃとたたきました。なつめも同じように水の中に入っていきました。
なつめ: 滝の裏でだれか修行してるのかなぁ?
ゼロ: 水浴びしたいなぁ
アスタシア: 仕事じゃなかったらもっとよかったのにな
ひかりとなつめは大はしゃぎで互いに水のかけ合いっこをしていました。
ゼロ: あぶないですよ、ひかりちゃん。そんなにはしゃいだら
ひかり: そうだ、お仕事お仕事。あーあ、残念
アスタシア: ふふ、また来るかもね
ひかり: うんうん、そうだねえ

ゼロ: うーん、こっち、だと 思う
ゼロが自信なさげに進んだ先は、幅の広い通路になっていました。ここにもまた滝が流れていました。そして、きれいな虹がかかっていました。
ひかり: 虹だあ
すると、床から水溜りがするすると近寄ってきました。そして、水が床から持ち上がると、触手のように伸びてひかりに向かってきました。
ひかり: なにこれぇ! お水が襲ってくるぅ! なんか大変なところに来ちゃったよぉ
アスタシア: 景色に見とれてる場合じゃないわね
ひかり: うん、うっかり見とれちゃいそお。あーあ、仕事がなかったらなあ。もっと見たいのにい
アスタシア: よし!また来ましょう!
ひかり: 今度は遊びにね
ゼロ: そだね
ひかり: ちゃんと死なないおべんとつくるからねぇ、ゼロさん


ひかり: また花と水の化物〜
洞窟の生き物は、毒を持っている花といい、さっきの水の化物といい、一癖あるやっかいな敵ばかりでした。
ひかり: 元締め〜、依頼金ってどれくらいもらってるのぉ?
アスタシア: 秘密! 実際にはいろいろなのよ。どうしても断れない依頼とか、ね
ひかり: 値段相応の仕事なの、これぇ?いつもの3倍は欲しいよぉ、これじゃあ
なつめ: 出世払いだったら泣くよ
アスタシア: あ、今日は安心して。ストライクさんにいつもいっている分がないから、その分は……
途端に3人は明るい顔になりました。
ゼロ: うん、3倍〜〜
ひかり: 期待しよ〜っと

一行が進んでいくと、またまた水の化物が出現しました。しかし、アスタシアがここで一計を案じます。
アスタシア: えい
ひかり: うわあ、凍ってる。すご〜い
彼女が放ったバータが化物に当たると、化物はかちこちに凍りました。
ゼロ: ぼっ僕だってぇ
ひかり: ひかりもテクニック〜
水の化物の分裂もあって、大騒動になりましたが、テクニックの助けでなんとか鎮圧しました。
ひかり: って、あたらないよぉ
ひかりは寂しそうな顔をしました。
ひかり: ひかりにはテクニックの才能ないよぉ、くすん……
なつめ: それごときで泣かない!!
アスタシア: いいじゃない、その分武器でがんばんなさい
ゼロ: そんなことないですよ。きっとうまくなりますよ
ゼロはいつものにこにこ顔で言いました。
ひかり: ありがとゼロさん。でも、今うまくなれないと適正試験に落ちちゃうよぉ。ちゃんとハンターズライセンス仮免から本免許になるのかなあ
アスタシア: 大丈夫よ。ひかりちゃんくらいの腕前なら
アスタシアがこう言うと、ひかりの顔はにわかに明るくなりました。
ひかり: えっへん、ひかりちゃん えらーい
アスタシア: そうそう、ひかりちゃんはそうでなくっちゃ
なつめ: 自分で偉いって言ってたら幸せだよ


4人はやっと2つめのゲートに到達しました。
ゼロ: ワープだ
ひかり: このゲートはOK?
ゼロ: えと……
ゼロは機械のパネルをちょっと確認して言いました。
ゼロ: うん、大丈夫だと……思う
ひかり: じゃあいこ〜

転送ゲートの先もまた見慣れた洞窟の風景でした。
ひかり: OKだったぁ。さすがあ
アスタシア: そろそろいちいち心配しなくていいみたいね
ゼロ: もちろん。いつまでも、半人前じゃないぞ


ゼロ: きゃぁぁ
戦っている途中で、奥の方からゼロの声がしました。奥の方から?よく見ると、ゼロがどこにもいませんでした。
ひかり: あ〜、いたあ。ゼロさん、戦わないとぉ
アスタシア: ゼロさん、どうしたの?
ゼロは先に続く通路から戻ってきました。
ゼロ: さっきまで戦ってたよう。危くなったから、逃げたのだ。そしたら、逃げた先がトラップ
ひかり: あはは。そっかあ
なつめ: つんつん、逃げ腰
ゼロ: あぅ、だってぇ、敵強いもん
アスタシア: 無謀に出てって死ぬよりはよっぽどいいわ

そして、ゼロが戻ってきた方、つまり洞窟の先の方に行ってみると、転送ゲートがありました。
ひかり: ゼロさんすごーい、もう見つけたんだあ
ゼロ: さすが、マッパーなのですよ
ひかりはアスタシアの方に振り向きました。
ひかり: 元締め〜、でれれれ、じゃない、どれどれだっけ?
アスタシア: でれれれ?どろどろ?
ひかり: だれそれ じゃなくて、なんだっけ、今回の依頼の
アスタシア: なんだっけ、って、なんのことだかさっぱり
ひかり: えっと……
ひかりはしばらく考え込んでいました。
ひかり: デルロレだよ。そうそう
なつめ: デ・ロル・レっ!!
ひかり: あれれ、舌かんじゃったあ
ゼロ: くすくす
ひかり: 近づいてるのかな
アスタシア: ええ、洞窟の一番奥だっていう話だから
その間、転送ゲートの前でゼロは作業をしていましたが、いつのまにか皆の後に戻ってきていました。
ゼロ: さてさて、調整終わりましたよ。
ひかり: 今回は早かったねえ。どんどん腕が上がってるんだね
ゼロ: ふふ〜ん
アスタシア: この調子で次はもっと早いといいなあ