何でも屋2: ボーナスをもらおう!

政府から突然、緊急の依頼が舞い込みました。アスタシアは慌てて全員を召集し、急いで現場に向かいます。なんと、ボーナスまで大盤振舞いしちゃうとか。

日常会話

アスタシア: 回復装置ね
一行が扉を開けると、そこは小部屋になっていた。そして、中央に2つのリング状のものが浮いていた。レスタと同じ仕組みで作動する回復装置だ。ただ、この装置は身体のダメージだけでなく、精神の疲れもいやしてくれる、たいへん便利な機械である。

ひかり: さっぱりしたあ
アスタシア: さあ、一服しましょ
ひかり: ふんふ〜ん
アスタシアが装置に入ろうとすると、ひかりがすでに装置から出てきたところだった。
ひかり: 便利な装置だよねえ
アスタシア: 気持ちが休まるわ
ゼロ: 誰が置いたんだろ?
アスタシア: ここはパイオニア1の人が作ったっていうから、パイオニア1の人なんでしょうね
ゼロ: すごいなぁ
ひかり: いい発明品だねえ
皆、交代で装置に入りながら、感心した様子だ。
アスタシア: ほんと、森にも置いてほしいわ
ひかり: でもでもお、電源がないんじゃないかなあ?森だと。
アスタシア: あ、そうね
ゼロ: 太陽電池とかは?あ、パワーが足りないのかな
アスタシア: なるほど、そんなうまい話ないわよね。できたらとっくにだれかが設置してるわ。きっと。

元気を取り戻した一行は、さらに坑道の奥へと向かっていった。


ひかりは部屋の隅でフェンスの作動スイッチを見つけた。
ひかり: ここにスイッチがある〜! えい、押しちゃえ
ゼロ: ああ、僕が押す〜〜
ゼロが駆け寄ってくる間もなく、ひかりはスイッチを押した。ピッと音がして、フェンスの表示が消えた。
アスタシア: ひかりちゃんでもちゃんとできるのね
ひかり: ここのスイッチはボタンだけだから、ひかりでも簡単〜。だってボタン一個押すだけだもん
ゼロ: 押したかったなあ
ゼロはボタンとひかりを恨めしそうに交互にじーっとにらんでんでいた。
アスタシア: あはは、ゼロさん、残念そう
ひかり: 次は譲ってあげるね
ゼロ: ほーい
ひかりはそう言って笑った。
ストライク: 子供じゃあるまいし……

ひかりはしばらく笑っていたが、ふと気がついたように言った。
ひかり: あ、時間だいじょうぶなのかなあ?急がないとお
アスタシア: あ、そうだそうだ。そんなに余裕なくなってきたかな。今日の夕方までだから……
アスタシアは自分の腕時計を見て言った。
アスタシア: さて、次……

とその時、ひかりの声がした。
ひかり: コンテナがあるよ
アスタシア: あ、ほんとだ。お店の売上の足しにしましょう
ゼロ: そうだね
ストライク: あまり構ってるヒマはないんだろ……
アスタシア: ええ、まあ……


大きな部屋で戦っている時、突然部屋の中央からさっきと同型の青いロボットが出現した。いや、それだけではない。同じ形の黄色いロボットも一緒だった。それらはストライクの一撃で破壊された。
ゼロ: 何が起こったの?
ストライク: またか……
ゼロ: てき?
アスタシア: 敵…よね?壊しちゃったけど
ストライク: 敵だな…殺気があった……
アスタシア: OK、OK
ひかり: 元締めがそう言うのならOKだよね
アスタシア: ストさんがそう言うのならきっとOKよ
ひかり: じゃあ、次いってみよ〜
ゼロ: いっくぞ〜
何もなかったように、一行はまた進み始めた。


ゼロ: あれ〜、おっかしいなぁ
ひかり: はずれ?
一行が進んだ先は何もない部屋だった。端末が壁に並んでいる他は、入ってきた扉があるだけだった。
アスタシア: 行き止まりじゃない
ゼロ: こっちだと思ったのに
ストライク: もう一つ道があったはずだ……そちらへ行こう……
アスタシア: ゼロさん、減点、っと
アスタシアは持っていた手帳に何やら書きつけていた。
ゼロ: ええ〜〜そんなぁ
アスタシア: そりゃあそうよ
ひかり: まあ、こういうこともあるよ。元気出してえ、ゼロさあん
ゼロ: しどい、店長〜〜〜
ゼロは目をうるうるさせてアスタシアに泣きついた。両手で服をつかむ。しかし、彼女がゼロを見る目は冷たかった。
アスタシア: そんな目で見ても何も出ないわよ。ほら、男なら行動で示すの。
ゼロ: あぅ〜
ため息をつくゼロの肩を、ひかりはぽんと叩いた。
ひかり: がんばろ〜
アスタシア: がんばって!
ゼロ: うっ、うん。今度は間違えないぞ
アスタシア: ええ、おねがいね


四人は行き止まりの部屋から元の部屋に戻った。破壊した機械の残骸が散乱している。何事もなく通り過ぎようとすると、突然空中から円盤が現われた。
ゼロ: わわ!! 待ちぶせ?さっきいなかったよね?
ひかり: うん、隠れてたみたい。ずる〜い
アスタシア: ずるい手を使うのね、敵も……そういう手はわたしの専売特許なのに……
ゼロ: そっそうなの……
ひかり: え?元締めなんか言った?
アスタシアはそっぽを向いた。
アスタシア: い、いえ、なんでもないのよ
ひかり: まあいいけど〜
ストライク: 行くぞ……

そして、もう一つの通路を通った先は、第2層への転送ゲートだった。
ストライク: ビンゴ……
ひかり: やったあ
ゼロ: えっへん
アスタシア: あっ、いい感じじゃない。ゼロさん、汚名返上ね
アスタシアはメモ用紙を取り出した。
アスタシア: えーと、プラスマイナス0、と
ひかり: あ、採点してるんだ元締め! がんばらないと
アスタシア: そりゃそうよ、言ったでしょ
ひかりはアスタシアからゼロの方へ視線を移した。
ひかり: ゼロさんえらーい
ストライク: 消去法だろ
ゼロ: あっ、ひどい、ストさん、そんな言い方ぁ
ストライク: 本当の事を言っただけだが……?
ゼロ: ストさんのいじわる〜
アスタシア: ストさんもねえ、頑固というか真面目というか……

ひかりは、見つけた転送ゲートの周りを調べてみた。
ひかり: ストさん、この転送機、安全?
ゼロ: だれかが確認してくれれば……
ストライクは転送ゲートのコントローラを操作し始めた。
ストライク: 安全だな…
ひかり: そっかあ、じゃ行こ〜
ひかりは転送ゲートに飛び乗り、皆もそれに従った。