何でも屋2: ボーナスをもらおう!

政府から突然、緊急の依頼が舞い込みました。アスタシアは慌てて全員を召集し、急いで現場に向かいます。なんと、ボーナスまで大盤振舞いしちゃうとか。

緊急出動!

ここは店の奥の事務室のダイニング兼ミーティングテーブル。
アスタシア: あ、ごめんなさいね。皆さん、突然呼び出しちゃったりして
アスタシアは慌ててやってきた人達に冷たい飲み物を出していた。
ゼロ: 今日はなんですかぁ〜
ストライク: また、仕事か……?

アスタシアもテーブルについた。
アスタシア: 今日は突然のお仕事なのよ。急に言われても困るんだけどねぇ……
ひかり: じゃあボーナス出るのかな?やたあ
アスタシア: でね、今日の仕事は、坑道の……まあ、掃除とでも言えばいいのか……
ストライク: 坑道の掃除……?
ひかり: お店のお掃除はいつもひかりがやってるし、お掃除は得意だよ
アスタシアは少しの間どう言おうか考えていたが、やがて話を切り出した。
アスタシア: 変な機械群が暴れてて調査できないから、調査隊の前にそこにいってなんとかしてくれって、そういう話なのよ
ゼロ: はぁ、戦闘ですか……
ゼロはため息混じりに言った。
アスタシア: そう、戦闘
ひかり: え?なんかでるの?
アスタシア: 暴走した機械がわんさといるんですって。そいつらはどんどん叩き潰しちゃっていいからね
ひかり: え〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ゼロ: 皆さん、頑張ってね〜
ストライク: お前もやれ、ゼロ……
ストライクはゼロをにらみつけた。
ゼロ: 僕もですかぁ
ストライク: 問答無用だ……
ひかり: 頼りにしてるよお、ゼロさあん
そしてひかりはストライクの方を見た。
ひかり: ストさんも
アスタシア: そうそう、頼りにしてるわよ

ゼロは周囲の注目を浴びて一瞬身体を引いた。
ゼロ: うっ、僕には、お店を守るという使命が!
ひかり: それはあ、ひかりもだよお
ストライク: ない……
アスタシア: そんな場合じゃないの!
アスタシアはびっくりするほど強い口調で言った。
アスタシア: 言い忘れたけど、急ぐのよ
ひかり: もしかしてえ、すっごくギャラいいんでしょ?その仕事って
ひかりはふふふと笑った。
アスタシア: ホントはね、その仕事、政府の仕事でお金はあまり入らないんだけど……
ひかり: そっかあ
ゼロ: そうなんだ……

アスタシアはちょっとためらっていたが、思い切って言った。
アスタシア: 今日は奮発してわたしがボーナス出しちゃう! この前の仕事で拾った宝石、あれをボーナスにしますね
テーブルは瞬時にお祭り騒ぎになった。
ひかり: わあーい。楽しみい
ゼロ: 行く行く〜〜行きますよ〜
ひかり: じゃゼロさん前衛頼むね。Wセイバーで。
ゼロ: ええ〜〜それとこれとは話が違いますよ〜、ひかりさん
ひかり: あはは、うっそだよお。ちゃんとひかりが前衛するからあ。シフタとデバンド頼んだよお
ゼロはひかりにVサインをした。
ゼロ: まかせて
そんな様子を静かに見ていたストライクだったが、何かひっかかるものがあった。
ストライク: 何か隠してるな……

アスタシアはお祭り騒ぎがしずまるまで待ってから話を続けた。
アスタシア: ええとねえ、で、宝石一つしかないから……ボーナスも一番がんばった人一人にしかあげません
ゼロ: えええ〜〜〜!!
アスタシア: わたしが見て一番がんばったと思う人にあげます
ひかり: 早くお仕事にかからないと、それは貰えないと、そういうことだねえ
アスタシア: だから、がんばってね!
ストライク: ああ……
ゼロ: おう
アスタシア: さあさあ、わかったらさっさと行くわよ
アスタシアはそう言うと、ロッカーから杖を取り出し、さっさと部屋を出ていった。
ひかり: じゃあ、お仕事にいこ〜

さっきから浮かない顔をしているストライクをゼロは不思議そうに眺めた。
ゼロ: ストライクさん、元気ないですよ
ストライク: 別に……
ゼロ: 元気出して行きましょう
ストライク: ああ……
アスタシアは、戸口で部屋の中をのぞき込みながら待っていた。
アスタシア: ストさんったらいつもこうなんだから……
ゼロ: そうなんだ
ひかり: いざという時はストさんが頼りだからね。頼んだよお
ストライク: ともかく仕事だ……行くぞ…
ストライクも立ち上がった。アスタシアは部屋の外から声をかける。
アスタシア: 大丈夫。彼は凄腕だから仕事はちゃんとやるわよ。ね〜

3人が店から出てきたところを見はからって、アスタシアは戸締りをして臨時休業の札をかけた。
ひかり: じゃ、いこっか
アスタシア: いざ、坑道へ!
ゼロ: おう


街に設置されている転送ゲートで転送された四人は、坑道への入口に集まった。
アスタシア: みんな揃った?
四人は思い思いの武器を手にしていた。アスタシアはいつもの長杖、ひかりは長槍、ストライクは両手に小刀、そしてゼロはというと、ギザギザの球体が先についた変な棍棒だった。
ひかり: あ〜
ひかりがゼロの武器を指差して大声を上げた。
ひかり: あめだま?
ゼロ: てへへ
ひかり: それって?なんかおいしそう
アスタシア: へんな武器〜
ゼロはにこっと笑って言った。
ゼロ: おかし、持参
アスタシア: 大丈夫なの?そんな武器で
ゼロ: へへ〜ん。大丈夫だよ〜
ストライク: スティングティップか……
ストライクは一人つぶやいた。
ひかり: こんぺいとうって奴じゃないんだ?ストさん詳しいねえ
ストライク: まあな……
ゼロ: 物知りだなあ
アスタシア: 彼は戦闘バカだから……
ストライクは怒ったような顔をしてアスタシアに何かを訴えかけようとしたが、彼女はさっさと坑道の中に入っていった。