何でも屋13: ひかりと影

ひさしぶりに何でも屋に帰ってきたひかりちゃん。でも、なんだか様子がおかしいのです.

森の奥

Captured Image
ひかり: フフ、見ツケタゾ。コレデアノ波動ノ根源ノ柱ニ近ヅケルトイウコトダナ
ひかりは森の奥へ通じる転送機の前に立っていた。そこに3人が追いついた。
アスタシア: あ、見つけた。ひかりちゃーん
ひかり: 待ッテイロ、すとらいく。貴様ヘノ復讐、必ズ果タス!
ひかりはそう言って一足先に転送機に入った。

アスタシア: いっちゃった……
ストライク: 追うぞ
そして3人も転送機の中に入った。

ひかり: チ……来タカ、オ前タチ。邪魔ハサセンゾ
森の奥ではひかりが戦っていた。が、3人が追いつくと急いで森の奥に消えた。
アスタシア: さあさあ、追うのよ
3人も急いで後を追った。


ひかり: マダカ……柱ハ

ひかりと同様に3人も柱を探していた。
アスタシア: 柱は……うーん、こういう奥まった所によくあるんだけど
ゼロ: 見つからないよ〜
ストライクは走りながらもしきりに通信機を気にしている。
ストライク: くっ……そろそろ調べ終わっていいはずだが
アスタシア: ストライクさん、調べてもらってる間にわたしたちもなにかしなければ
ゼロ: ひかりちゃん探そう
しかし、森のモンスターにしばしば阻まれた。今日はいつものように楽にはいかなかった。
アスタシア: 今日は森のモンスターが強すぎる、そう思わない?
ゼロ: うん、強いね
アスタシア: なんでだろう?
ストライク: 確かに妙だな……形状も違うしな
ゼロ: さっきの奴となにか関係があるのかも
ストライクはずっと浮かない顔をしていた.
ストライク: 気のせいか身体が重く感じる……
アスタシア: ストライクさん、不調なの?アレスだか何だかが狙ってるっていうのに
ストライク: あの柱の近くにいる、そんな感じだ……
アスタシア: 今日は森全体があの柱の影響を受けているって、そういうことなのかな?
ストライク: おそらくな……

3人はなおも森を進んでいた。
ゼロ: 敵がこれじゃなかなか進めないよ。こんな時に限って敵が多いんだから……
ゼロはキッとモンスターをにらんだ。
ゼロ: もう、怒ったぞ。皆燃えちゃえ〜〜
ゼロはギフォイエを放った。火球は見たこともない大きさに膨れ上がり, 周囲の敵を一掃した。ゼロはにこりと笑った。
ゼロ: よし、片付いたっと
アスタシア: ゼロさん、落ち着いて!
ゼロ: なんか、私も強くなってる
アスタシア: それはいいことだけど……
アスタシアは不安な表情を隠せなかった。何かがいつもと違う。
アスタシア: 今日はいったい……こんな事になるんなら、お仕事なんてない方がどれだけ良かったか……


ひかりは3人より早く、とうとう柱を見つけ出した。
ひかり: クハハ。ツイニ来タゾ……
ひかり: やめて……こんな事しても悲しいだけだよ
ひかり: ウ……ウルサイ
ひかり: クハハハ、感ジルゾ、闇ノ波動! アタエタマエ
闇の声: 今こそ戻れ、我が許に
ひかり: ン……ナンダ……コノ声ハ
闇の声: 我が宿り木として生まれし者よ……今こそ戻れ、我が許に

ストライク: なんだ……この声は……!!
ひかりと柱を探している途中で、ストライクは突然大きな声を上げた。
アスタシア: ど、どうしたのよ?
ストライク: ……っく!?
アスタシア: ストさん、どうしたの?まさか、ストさんまで!?
ゼロ: 乗っとられたとか……そんなのなしですよ〜〜
アスタシア: ちょっと、そんな事があったらわたし達どうなるのよ
ゼロ: 逃げるしかないでしょう
アスタシア: そんな、ストさん置いて逃げるなんて
ゼロ: でもでも、このままじゃ全滅ですよ
アスタシアとゼロが言い合っている横で、ストライクは一人苦しんでいた。
ストライク: っがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
ゼロ: わわ
アスタシア: ストさん……
ストライク: ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ
ストライクは荒く息をしながらも, 前へ一歩ずつゆっくりと前進していった.


その頃、ひかりは柱の前にひざをついて苦しんでいた。
闇の声: NEI2736、我が体よ……
ひかり: ナ……ナンダイッタイ……グ……ワ……体ガ……ヤツニ復讐ヲ果タスマデハ……ダメダ、コノ体、コノワタシニハ……
ひかりは叫び声とも悲鳴ともつかない大声をあげた。ひかりから何か得体の知れないものが分離し、それがモスマントと融合した。ひかりはばったりと倒れた。
闇の声: 再び私を拒むか……

ストライク: はぁ……はぁ……
アスタシア: 大丈夫?ちょっとはよくなった?
ストライク: ああ……
ストライクの苦しそうな息が穏やかになり、足取りがだんだんとしっかりしてきた。
アスタシア: よかった
ゼロ: ひかりちゃ〜〜ん、どこ〜〜
大きな声でひかりの名前を呼び回っていたゼロが、突然ある目標に向かって走り出した。
ゼロ: 柱だ。ここか!!
あわててストライクとアスタシアも駆け寄った。そこには謎の柱があって、その前にひかりが倒れていた。
ゼロ: ひかりちゃん!! しっかりして
ゼロはひかりを抱き起こした。その時、ドームの方から声がした。
アレス: ストライク……マダ俺ノ復讐ハ終ワッテイナイ! ドウヤラコノどーむノ中ニオアツラエムキノ身体ガアルヨウダナ。コノどらごんノ身体ヲ使ッテオ前ニ復讐シテヤル。待ッテイロ! クハハハ
その声の主はモスマントだった。それはドームの奥へと飛び去った。